2009/11/30

台南・獣たちの熱い夜

赤嵌街
 開基霊祐宮のある赤嵌街は、オサレな飲食店が並ぶ台南市の繁華街である。
 「なべやき」の文字が燦然と輝く店の前を通り過ぎる。ここは長い夜の始まりを待ちわびた、熱き獣たちの集うエリアだ。PC画面の前の坊やたち、今夜はもうおとなしくおねんねの時間だぜ。

鶏
 見よ!
 若さと欲望を抑えきれない者どもが、叫び声とともに現われたぞ。飛べない翼に意味はあるかと問いかけながら!

豚
 さらに奥に進むと、黒光りするボディを見せつけるヤツも現れた。

豚
 暗闇のハンターが今宵狙う獲物は何だ?
 ここまで深入りしては、もう我々にも後戻りはできない。相棒と目くばせを交わし、身の危険をも顧みずこっそりと後をつけた。前へ、ひたすら前へ!

豚
 ヤツは我々の尾行を嘲笑うかのように、狭い道の歩道を行ったり来たり。
 闇夜に身を隠しながらも、きちんと交通規則を守る辺り、プロの貫禄が感じられた。

豚
 気がつくと我々は危険なエリアを脱していた。我々にはまだ早いという、ヤツの心配りだったのかもしれない。結局我々はヤツの目的を掴むことができず、空しく時は過ぎた。
 今宵も次の獲物を求めて、ヤツはその重量感溢れるボディを武器に、赤嵌街を跳梁跋扈しているに違いない。


 まぁしかし、70万都市のど真ん中でこんな景色に出逢うとは思わなかったぞ。

開基霊祐宮

開基霊祐宮
 14日はストリップショーで終わったわけではない。そこからホテルまで歩く間に、まだ廟宇を眺めている。そしてドラゴンフルーツを入手している。
 開基霊祐宮は赤嵌楼の東側の道にある。祀るのは玄天上帝、つまり北極星だ。
 明の永暦25年(1671)に、地域の住民と駐留軍が力を合わせて建てた宮で、北極殿(大上帝廟)に対する小上帝廟の異名をもつそうな。

開基靈祐宮
 実はこの辺を歩く時点で、私のカメラはバッテリー切れを起こしていた。どうにか騙し騙しここは撮影したものの、ホテルに戻るまでに完全にダウン。hashiカメラは夜景を撮れないので、内部の撮影はしていない。というか、hashiカメラもダウン寸前だった。

 さらに実は、ここを別の宮と勘違いしていた。我々は大観音亭の門前を歩いてるつもりだったので、ここを全台呉氏大宗祠と思ってしまったわけだ。
 帰国後に写真を眺めて、どう見ても「北極」という文字があるので調べ直したら、霊祐宮であった。ここも三級古蹟だし、覗いておきたい場所ではあったのでまぁ良かったけれど、欲をいえばちゃんと中を見学すべきだったと若干後悔している。
 蔡草如の絵が見所だと『台南歴史深度旅遊』にある。次の機会にわざわざここを目指すことはなかろうが、通り過ぎる機会があったら再見したいものだ。

2009/11/28

祀典武廟はこうやって祝うでござるの巻

祀典武廟のナイトショー
 8月14日夜、祀典武廟前の広場にはテーブルと椅子が並べられ、宴会が行われたらしい。我々が訪れた時には既に食事は終わって、食べ散らかした食器だけ残されていた。
 そして道路を挟んだ向こう側では、夜のショーがたけなわだ。これは見ないわけにいかないぞ、と近寄ってみる。

祀典武廟のナイトショー
 どう見ても○ティちゃんである。
 もちろん、この日のショーに子どもが楽しめる要素など皆無だった。というか、日本ならどこかの常識ある住人から苦情の嵐だろう。そういう常識ってなんだろうね。

祀典武廟のナイトショー
 舞台では見知らぬ歌手が歌っている。
 まぁ我々が知っている台湾の歌手など限られているわけで、たとえ南台湾小姑娘(解散したアイドルグループ)の残党が混じっていようが分かりはしない。

祀典武廟のナイトショー
 基本的に皆さん露出度高し。
 日本の南京町の春節で見たチャイナドレスの歌手も、ずいぶん頑張ってるなぁと思ったが、こちらの露出度にはまるで及ばない。

 まぁそれ以前に、背景の鴨とステージの対比がなんともシュールだ。こんなステージでは、店の宣伝にもならないぞ。

祀典武廟のナイトショー
 ビキニ歌手登場。
 左端にいるミニスカ小姐にも注目。

祀典武廟のナイトショー
 曲の間奏部分では、こんなサービスもある。生でTバックを拝めるとはありがたやありがたや(棒読み)。正直、開けっぴろげ過ぎて萎える。
 実はミニスカ小姐も、いきなりステージ前方にツカツカやってきて、後ろを向いて一瞬スカートをめくりあげて、何事もなく去って行った。あまりの早業に、シャッターを切る暇さえなかったのだすごいねぇ(またも棒読み)。
 ノーキョーツアーなら、きっとやんやの喝采であろう。

 まぁこれを見ようと思ったら、何らかのお祭りの時しかあるまいが、しらふで見物すると寒々しいので注意すべし。
 台湾らしいイベントといえば言えるので、一度は見ても損はない。二度は見る気にならん。

文衡聖帝の聖誕を祝う祀典武廟

祀典武廟
 祀典武廟は12日昼と14日夜の二回訪問した。開基武廟と同じく文衡聖帝の聖誕を祝って花と供物に溢れていたが、こちらはもう一つ大きな行事があった。
 八八水災に対して、義援金を集めて台南市に贈ったことは、台南市のホームページにも載っていた。で、12日には被災者への米の支給が行われていた。門をくぐったところに沢山の米俵が並んでいた。

祀典武廟
 境内に庭園が出来たみたいに華やかだ。

祀典武廟
 祝われている御方である。

祀典武廟
 左右の飾りは普段はないものだと思う。前回の訪問時と比べれば一目瞭然。

祀典武廟
 ついでなので扁額をば。
 時には府城三大扁額に加えられることもあるという「大丈夫」。普通は加えないが。

祀典武廟
 しかし個人的には「人倫之至」の方が好きだなぁ。カッコイイじゃん。

 ということで、この祀典武廟のお祝いイベントの様子を次の記事で紹介しよう。はっはっは(なぜか笑ってみる)。

2009/11/27

宝島 台湾料理(大阪 心斎橋)

宝島 台湾料理(大阪 心斎橋)
 今日は相方が宴会参加で不在。なので一度覗いてみようかと思っていた台湾料理店に出掛けてみる。
 出掛けるといっても、私は大阪府下で働いているので、いつも乗っている御堂筋線の、降りる駅を変えるだけである。

 台湾料理の店「宝島」は、ネットで台湾物産の通販をやっている。以前から豆辨醤を探したりして何度もサイトは覗いていた。が、どうにも気乗りがしなかったのは、通販の冷凍食品をそのまま出されるんじゃないか、という危惧を抱いていたためだ。
 今回、一人で訪問してみたのも、二人で行って味が……だったらダメージが大きいからだ。

宝島の蚵仔煎
 正直、何を頼んだものかと悩んだ挙句に、蚵仔煎(980円)をオーダー。写真で見るだけでも、台南のそれと同様の味になるわけはないと思ったが、どうせ今日は人柱だ。
 団体客が多いせいか、やたら時間がかかった末にやっと出てきた料理は、確かに蚵仔煎だった。地瓜粉のネットリ加減も、A菜系統の菜が入っているのも、ピリ辛のソースもまぁ良い。しかし、頼む前から分かっていたことだがカキが違う。
 はっきり言って、日本のカキの方が身が大きくて立派なのだが、蚵仔煎には小ぶりのカキの方が合う。身が大きいと、かなりカキがカキ臭いのである。

宝島の肉燥飯
 で、肉燥飯(500円)。これはまるっきり台南の肉燥飯。素晴らしい!
 ……だが、よくよく考えてみれば、これは通販サイトの肉燥缶詰のページに載ってる写真そのものである。ようするにあの缶詰の中身ってことだろうか? だとしたら缶詰を買えばいいかなぁ、とも思う。

 店内の客層は、まるっきり普通の居酒屋である。そんな中で、一人で飯を食う私はものすごく浮いていた。きっと店員も覚えているだろう、というぐらい。
 まぁ、機会があれば二人で行こうかなぁ、とも思う。メニューを見たら、揚げた臭豆腐とか貢丸湯や魚丸湯、紅豆豆花、珍珠奶茶がある。値段を考えなければ、若干の台湾気分は味わえるのだろう。

大阪府大阪市中央区東心斎橋1-18-15 勇拓ビル2F
06-6281-5532

2009/11/25

烏鬼井再訪

烏鬼井
 オランダ統治時代の遺蹟、烏鬼井には前回の旅でも訪問している。今回は三山国王廟の井戸(前回は見落とした)を見る途中で寄った。

 ところで、烏鬼井についてはいろいろ資料を漁って調べてみたことがある。非常にせつない話なので、是非読んでいただきたい。前回の記事に増補する形で書いたので、詳しくはこちらの記事「烏鬼井と大銃街」で

2009/11/24

文衡聖帝の聖誕を祝う開基武廟

開基武廟
開基武廟
 台南の小関帝廟こと開基武廟。8月14日(旧暦6月24日?)が文衡聖帝(要するに関羽)の聖誕の日だというので、狭い境内には花や供物がどっさりだった。

開基武廟
 花と人で身動きが取れないなか、文衡聖帝を撮影。
 ちなみに、前回ももちろん拝拝している

開基武廟 狭い狭い境内のスペースでは、優雅な音楽演奏が行われていた。住宅地の真ん中なので大音響は出せないけれど、台湾旅行してるなぁという気分になれる良い演奏だった。

 もう一方がアレだったからねぇ……。

2009/11/21

陶々楼(台湾料理)早くも再訪

陶々楼(台湾料理)
 10月末に初訪問の陶々楼を再訪。正確に言えば、既にhashiはランチを食っているので三度目なわけだが、二人で夜に出掛けるのは二度目である。
 写真は店内の椅子席。まぁ別にとりたてて珍しいものではないが、場末の中華料理屋みたいに油でべとついたりはしないので、デイトにだって使えるかもよ。

陶々楼(台湾料理)の空心菜炒め
 まずは前回食いっぱぐれた空心菜炒め。うまい。空心菜がシャキシャキなのは当然として、味付けがのどにやさしい。中華にありがちな濃い味付けとは明らかに違う。

陶々楼(台湾料理)の豆鼓と鶏肉炒め
 豆鼓と鶏肉炒め。鶏肉は片栗をまぶしてあって、噛むとぷるぷるの食感。これも味付けが絶妙だ。

陶々楼(台湾料理)の酸菜と春雨肉和え煮込
 酸菜と春雨肉和え煮込。これは実に表現の難しい料理である。日本に似た料理がないからだ。
 醗酵させた白菜は、ザーサイのようでもあり臭豆腐っぽくもある独特の臭いを発している。で、食べるとその酸味を感じるけれど、薄味じゃないのにさっぱりしている。人を選ぶとは思うが、これも美味。

陶々楼(台湾料理)の台湾風拉麺
 台湾風拉麺。いわゆる名古屋の台湾ラーメンなのか、牛肉麺系なのか微妙だったので老板娘にたずねてみるも、確証がもてずとりあえず頼んでみる。そもそも私は名古屋の台湾ラーメンを食ったことがないという致命的な問題がある。
 で、これは間違いなくラーメンで、しかも辛い。だが、そこはかとない台湾風味がある。牛肉麺ではないが、じゅうぶんうまい。
 なお、手前右の白いのはつみれ団子のようだったが、食べると八角の風味がして、ここだけはバッチリ台湾である。

陶々楼(台湾料理)の揚げパン
 ここで揚げパンのサービスが。辛い物を食う時にはパンを組み合わせるそうな。
 この揚げパンがまたふかふかでうまい。ただし腹がふくれるぞ。

陶々楼(台湾料理)の小籠包
 hashiの希望で小籠包。
 鼎泰豊とは違ってつゆだくではない。そういうのを期待する人には向かないだろうが、これもうまかったよ。

陶々楼(台湾料理)の肉燥飯
 で、「肉燥飯は作れませんか」と聞いたら、なんと作ってくれましたぞ。図々しいお願いに応えてくれた老板娘に感謝。
 ただし、本当に作るなら一時間は煮込まないといけないので無理らしく、これは角煮を焦しネギと煮込んだもの。次は来店時に頼むよう言われたので、きっと我々はそうするだろう。まぁ忙しそうな時はやめといた方が良さそうだが。

 老板娘は台南出身だそうで、向こうの料理の話でちょっと盛り上がった。季節によっては他にも台湾らしいメニューを出すらしいし、豆花も作る時があるそうな。豆花食いたいなぁ……と大満足の夕食だった。
 ……って、食べ過ぎだろ!

陶々楼
京都市中京区室町通三条上ル東側 白鳥ビル2F
TEL:075-211-9211

2009/11/20

赤嵌楼の夜(2009.8.14)

赤嵌楼
 今回は赤嵌楼は外側から眺めたのみ。12日午後は祀典武廟を訪問の際に通りがかり、14日夜は耕読園からタクシーに乗った時にとりあえず「赤嵌楼まで」と頼んだ。
 別に赤嵌楼に用がなくとも、この辺に行けば何か食えるし何か見物出来るだろう、という場所だ。ついでに、言葉がほとんどしゃべれない我々でも「チーカンロウ」なら確実に通じるという気楽さがある。

 この日はジャズライブだった。しっかり入口で集金人がいたので、柵の外から覗いただけで去る。実はこの時、もっと魅力的なイベントがあることを我々はもう知っていたというのもある。

 ところで、赤崁楼なのか赤嵌楼なのかは迷うところ。一般に赤崁楼という表記が通用しているので、なるべくそう書いているけれど、実は当の楼上には「赤嵌楼」とある。
 この名の由来が諸説あるなかで、最も有力なのが原住民の名というものだが、それはどうやら「赤崁社」と記録されているらしい。その場合、音が共通する崁と嵌がいつの間にか……ということなので、歴史的正確さを求めるならば崁となろう。ただしあくまでその説が正しければ、という注釈がつく。

 電子版の四庫全書で検索すると、『福建通志』などほぼすべてが「赤嵌」である。「赤崁」は一例だけ『福建通志』にあるが、楼の名ではなく港の名のようだ。このレベルでいえば嵌を選択する方が無難といえる。
 まぁ崁はそもそも日本語フォントにない(仕方なくコピペで対応)ので、無理せず赤嵌楼にしておこうかなぁ、ということでこの記事ではそう表記する。

2009/11/18

代天府保安宮

代天府保安宮
 台南市の保安路といえば、小吃店がひしめくエリアだ。この保安宮を中心に、北に林家魚皮、南に全生小食店や矮仔成蝦仁飯、集品蝦仁飯などの有名店が揃う。
 そういう意味では有名な場所にも関わらず、肝心の宮はほとんど紹介されることがない。保安宮といえば、台北の同名の宮も小吃エリアで有名だから、そういう店を引き寄せる何かがあるのだろうと思われるが、少なくとも現在は祭神も違うようだ。
 なお、前回は外側だけ見ている。その時の記事はこちら

代天府保安宮
 台北の保安宮は保生大帝を祀るようだ。
 しかし保安と保生の違いは、それなりにあるのだろう。少なくとも台南の保安宮は保生大帝を主祭神としない。既に紹介した通り、保生大帝は興済宮などにいる

代天府保安宮
 結局、「保安」とは国家の安寧を祈るという一般名詞なのだろう。

代天府保安宮
 主祭神は「李池呉朱范」の五府千歳である。詳しいことは、以前も紹介した小学校のサイトで。手元のガイドには一切記載がないのだ。

代天府保安宮
 斜めから撮影。例によって正面から撮ると主祭神が隠れてしまう。真なるものは世界に開かれていないのだ(嘘)。

2009/11/15

鄧老師養生館 二番勝負(その二)

鄧老師養生館
 前回は断水の影響でラヤンハイ(足風呂)ができなかった鄧老師養生館。そのリベンジということで、安平から直接タクシーで乗りつけたゾ。
 ちなみにその1の記事から三ヶ月も空いてしまったが、実際には二日目と四日目の出来事であった。
 上の写真はマッサージ後の写真。たっぷり2時間近いコースなので、終わったらもう真っ暗になっていた。

鄧老師養生館
 奥に並ぶ椅子が上海泡脚(ラヤンハイ)用である。今回はちゃんと現金を用意して行ったので、脚底按摩(40分)600元+全身推拿(60分)800元だ。いずれにせよラヤンハイが最初らしい。
 初めてのラヤンハイ(hashiは二度目)は、なかなかイイ。要するに足湯であって、足湯にしては高い(ラヤンハイ単体なら200元だから約600円)けれど、多少のマッサージ付きだ。
 なお足を浸けた写真も撮ってあるのだが、余所の人が載せてる写真と構図も何も同じだし(自分で浸かりながら撮れば当然同じアングルになる)、所詮は見苦しいものなので割愛させていただく。

鄧老師養生館
 続いて、いわゆる足つぼマッサージである。これが30分はかかるので、その間は天井に釣り下げられたテレビを見ることになる。
 hashiに近い方のテレビは、店の人が我々に気を使って日本語の番組にしてくれた。しかし残念だが、台南で日本の旅行番組を見てもちっとも楽しくないのである。まぁ駐在組ならその方がいいんだろうが。
 私の右側には、もう一つのテレビがあるのだが、そちらは何と「るろうに剣心」を放送していた。吹き替え版だったが、エンディングの曲は日本のままで、どうにも違和感があった。

 さて、足つぼマッサージは普通に気持ちイイ。上海泡脚で足を洗っているので、足裏が臭わないだろうかとビクビクする必要もない。
 この日は午前中が西華堂と開元寺、午後が安平だったので歩行距離は相当にあった。日中に歩き回って午後五時過ぎにマッサージ、終わったら夕食という今回のスケジュールは、なかなか合理的じゃないかと自画自賛しつつ終わる。台南でマッサージしたいなら、とりあえずここに行け。

 あ、二度目の全身推拿の話がないな。
 基本的に前回と同じ。なぜなら、同じ人にもんでもらったからだ(前回もらった名刺を見せた)。片エビ固めもあったゾ。

台湾野球の八百長問題に想う

 リアルなderorenは、誰もが認めるほどに毒舌で、他人に厳しい男である。そんな男が台湾という国に対して発言を続ければ、いずれは政治色を帯びるだろう。
 当たり前だが、私にとって台湾は旅行先に過ぎないので、所詮その発言は外側からなされる無責任なものでしかない。まぁ選挙権もない他国の理想論を語ったところで、どうなるものでもないわけで。
 もしもこのブログが、台湾の観光産業を左右するほどのポジションになったら、発言の意味もあるだろう。それはそれで、大陸政府の脅しとレベルが変わらないかも知れないけどね。


 私は台湾プロ野球については、一般人より若干知識がある程度である。かつてリーグが創設された頃、私はなんと「週刊ベースボール」の愛読者だった。なので毎週、たった1ページだけの情報コーナーをチェックしていた。4球団が6球団になった頃までは、断続的に情報を仕入れていたと思う。
 もっとも、あの雑誌のコーナーは基本的に「台湾のプロ野球も頑張ってるよ」というメッセージを送るだけなので、その影で何があったかなんて知る由もなかった。

 グローバル化が進む世界の中で、野球はローカルなスポーツだということに、人々が気づきはじめている。国内リーグからアメリカへ渡ることを「世界」進出と呼ぶことにだって、根本的な無理がある。
 起死回生のイベントであるWBCは今のところ盛り上がっている。にも関わらず各国の国内リーグにそれが還元されていない事実もある。しかしそれは還元されていないのではなく、現在のプロ野球が、親会社の体力勝負によって適正規模以上に維持されているに過ぎないのではないか、とも思う。
 もちろんWBCの「日本代表」と、企業チームがうまく接続しない問題もあろうが(地域名にすれば解決する?)。

 台湾のプロ野球は、どこまで存続可能かどうかはともかく、まずは企業名を外すべきだとは思う。現状でも台北・台中・台南・高雄に一つずつだし、その中で兄弟が人気なのは、兄弟という企業イメージではなく、台北にあるからなのだし。
 企業名を外せば、複数スポンサーで解散を防げるだけでなく、地域代表という認識から八百長がやりづらくなるのでは、とも思う。各地域のエゴが絡み合うことで、不正で負けることへの抵抗感が増せば良い。

 もちろんヤクザ社会の台湾で、それは夢物語に過ぎないのかも知れない。ヤクザを飼っていた国民党が政権にある今はなおさら。
 ヤクザも逃げそうな統一企業が、リーグ全体のスポンサーになる方が現実的かも。兄弟はあのオーナーだし、もう再生不可能じゃないの?

2009/11/11

安平蚵灰窯文化館

安平蚵灰窯文化館
 安平老街から安北路に出て、そのまま東へ少し歩くと、平生路との交差点で、緑に覆われた煉瓦造りの何かを発見する。
 ここは安平の煉瓦建築には欠かせない蚵灰を焼く窯の址だ。三級古蹟指定されている。

安平蚵灰窯文化館
 奥にはカキの養殖から蚵灰の製造などを展示紹介する安平蚵灰窯文化館がある。無料で、トイレもあるので歩き疲れた時の休憩場所にもなろう。

安平蚵灰窯文化館
 なぜかテトラポットが。
 奥にベンチもあるので、このテトラを眺めつつ休むのも良い……だろうか。

安平蚵灰窯文化館
 もちろんここ最大の見所は、蚵灰窯である。
 煉瓦造りの窯に、カキ殻と炭を交互に重ねて、最後に小石で蓋をして火をつける。そうして出来上がった灰は最終的には炭酸カルシウムに加工されることになる。

安平蚵灰窯文化館
 もちろん今は使用されていないが、いい被写体なので訪れてほしい。なお、文化館は月曜休館で午後5時には閉まってしまう(ちょうど5時前後だったので、我々が最後の客だった)が、窯の見学だけならいつでも出来るよ。