2009/06/29

まだガイドを買うのか その4

 あまりに買い過ぎて、来月は博客來網路書店プラチナ会員に昇格らしい。というか、金額的には既に最上級の鑚石(ダイヤモンド)会員の資格を得ているわけである。購入回数が足らないから昇格見送りってのも腑に落ちない。海外から一冊ずつ買う奴はいないぞ。
 ちなみに、上級会員は優恵券(クーポン)が若干もらえる。あとは誕生日に買うと5%off。それだけである。それとは別に、25元のクーポンをいくつかもらった。それだけのために大金を使う必要はない。
 実は、購入回数など簡単にクリア出来る。単にまとめ買いをせず、一冊ずつ別に手続きすれば良いのだ。どうせ同じ日に頼めば一緒に送られて来るし。

 しかし、輸入消費税の支払いはなんとも厄介だ。これと受け取りがサイン(ただしカタカナ)であるせいで、仕事先に送ってもらうわけにいかず、平日は受け取りに難儀している。免税書店はどこかにないのか。あるわけないか。

●劉豊(絵図)曹銘宗(解説)『台灣宗教之美-迎媽祖』(聯經出版公司2009.5.7)
 今回の一押し。簡単にいえば、絵本である。折り本になっていて、広げると媽祖遶境の行列が再現されている。
 媽祖の祭礼は若者をも巻き込みながら、今も台湾に根付いている。そんな主張もあちこちに読み取れる。まぁその主張については保留しておくが。
 なお、裏は裏で別の行列が描かれている。そちらも楽しい。絵本と割り切れる人なら買うべし。

●王健旺『台灣的土地公』(遠足文化2003.3.12)
 「台湾的」というタイトルは、台湾人というアイデンティティを語る政治的意図を含んでいる。国民党時代の書籍である「深度旅遊」シリーズ(遠流台湾館)が日本統治時代を抹消しようとするのに対して、民進党政権下での『台湾人的神明』『台湾的城隍廟』、そしてこの『台湾的土地公』は、国民党の植民地からの独立を意図しているようだ。
 で、なんといっても「土地公」は台湾人の核と位置づけられる信仰らしい。実体は日本の道祖神と何も変わらない、要するに土地の神を祀る信仰であって、本来は別に「台湾」という単位で語るべき対象でもなかろう。しかしそこに福徳正神という統一神格が付与され、整理されていく途上といったところなのだろう。
 考えてみれば日本の道祖神にしろ、「道祖神」という統一神格は、しょうもない一国民俗学の基盤であったに違いない。土地の神への信仰を普遍化すれば、逆に国家という単位を超えてしまうはずだ。少なくとも、台湾と日本の土地神は容易に同一視出来るのである。

●喀飛(撮影:蔡宗昇)『深度旅遊17 台南』(太雅生活館2003.11)
 台南のガイドで入手可能なものは、ほぼこれで揃えたことになる。ただ、これはハズレ。買うなら以前に紹介した他のガイドの方が役に立つ。
 なお、太雅生活館の本を一定額以上買うとパスポートケースがもらえるということで、同じシリーズの『鹿港』も買った。こっちはまだ使える。鹿港にも行きたいなぁ(台南と鹿港を同時にまわる方法はないものか)。

●林進源主編『台灣民間信仰神明大圖鑑』(進源書局1996.12/2007.4五刷)
 編者と出版社が同じというのが怪しいが、とりあえず内容は悪くなさそう(まだ読みはじめ)。拝拝の方法とか基本知識も書いてある。
 列挙される神々を見ていると、本当に誰でも祀るもんだなぁ、と感心する。そりゃまぁ、日本にも有名人の祭神はいっぱいいるけどさ。

●董芳苑『台灣宗教大觀』(前衛出版社2008.8)
 その3で紹介した『台湾人的神明』の姉妹本みたいなもの。こちらは宗教別に解説されているが、台湾独自の信仰について丁寧に解説されてあるので、そういうものに関心のある人は買っておくべし。
 まぁ董芳苑氏は解説の中に「台湾共和国」とか書いちゃうお茶目な人である。今さらだけど、台湾独自の信仰を求める動きは、台湾人というアイデンティティ確立の一環なのであろう。

●陳信聰『幽冥得度―儀式的戲劇觀點 台南市東嶽殿打城法事分析』(唐山出版社2001.7)
 「清華人
類学叢刊五」として刊行されたもの。タイトルの通り、東嶽殿の打城法事についての研究入門書である。なかなか読みづらい(というか、ある程度の予備知識が必要)だが、最近になって少し読めるようになってきた。興味のある人は買おう。

※二冊追加した(2010.1)

2009/06/27

台北城(京都市中京区)


 綾小路通にある店。地下鉄四条駅で降りたなら、南側に綾小路への出口があるので、そこからひたすら東へ進めば良い。東洞院を過ぎて、小さな神社(文子天満宮、またの名を神明神社)の隣である。
 なお、ホームページは特に存在しないようだ。


 大根入りの卵焼き、要するに菜脯蛋。油が気になるが、ここの味はまぁまぁ。


 しじみの醤油漬け。結論としては、ちょっと苦手。


 「棘子鶏丁」だったはず。鶏肉とタケノコとタマネギを炒めたもの。比較的辛い。
 どうでもいいが、「棘」はトゲであって、別に辛いという意味はないはず。何となく「辣」と通用しているのだろうけど、どうも引っかかる。


 「炒米粉」、つまり焼きビーフン。普通にうまい。


 「宮保魷魚」(イカと鷹の爪炒め)。非常に辛いが、頼んだなかでは一番気に入った。イカの身はやわらかい。


 「酸棘湯」。可もなく不可もなく。強いていえばやはり気になるのは「棘」なんだが。

 店内はけっこう広く、宴会スペースもある。我々が訪れた時も、某京都のFM関係者が集まっていた。一番偉そうな女はたぶんDJだったろうが、あいにく私は聴かないので誰なのか不明。まぁ誰なのか判ったところで意味はないけどさ。
 なんというか、ダメなマスコミ関係者の典型みたいな薄っぺらい会話は、我々の気分を大いに害したわけだ。結果として、この店の評価も低くなっている。
 いつもあんなのが巣食ってるわけじゃないだろうが、ダメな時間に出掛けたことも含めての一期一会。この記事を読んで食べに行こうと思うか思わないかは読者次第である。

2009/06/22

台湾高速鉄道あれこれ

※当記事は台北→台南で乗車した際のもの。台湾高鐵の記事はこちら(台南→桃園)も参照くだされ。


 俗称台湾新幹線は、私にとって中華圏のブログを眺めはじめるきっかけでもあった(たしか2004年ぐらいには工事の状況を見ていた)。
 ついに自ら乗ってしまうのか……という感慨があったかといえば、実はほとんどなかった。もう既に開業三年にもなって新鮮味は薄れたし、見れば見るほど新幹線というのもいけない。仕事で東京往復するのと一緒じゃ、旅行気分すら味わえないぞ。

 まぁともかく台北駅ホーム。人が全くいないのは、ホームへの入場制限があるため。十分前ぐらいまで月台(ホーム)に降りれず、降りた時にはもう列車が停まっているわけだ。
 さらにいえば台北駅の改札口は結構殺伐としている。自由席の客は改札入ってから階段の手前で並ばされていた。きっとその後にレースが開催されただろう。……全員問題なく座れる程度の人数だったけど。


 台南行き切符。875NT$という激安価格で、自由席より安い。帰りは指定が取れなかったし(もっとも、発車30分前の話)、早めに買った方が良かろう……とは思うが、かといって日本の代理店経由というのも無駄だ。当日でも指定券が買える場合が多いし、代理店に手数料払うぐらいなら自由席にすれば良い。

 自動券売機を使えば、クレジット払いで簡単に切符が買える。どこからどこまで乗るのか、往復か片道か、何人分かなどを画面上で選択し、あとは列車一覧から乗りたい列車を選べば良い。日本の新幹線切符と大差はない。クレジットカードの暗証番号さえ覚えていれば大丈夫(一瞬思い出せなかったのは内緒だ)。
 窓口の方が言葉のハードルが高いし、行列が出来ているので券売機を推薦する。

 ついでに。この切符は回収されないので、駅員に頼まなくともお土産になるよ。出口の改札機から出てきた時はちょっと驚いた。


 テーブルの裏。もっとも700系っぽい部分だ。


 そして幻の高鐵弁当。チラシは各座席のポケットに入っているのに、販売に来ないというのは新聞記事にもなっていた通り。
 セブンイレブンの国民弁当の倍以上の値段なので、どれほど現地人に売れるかは疑問もある(各駅に7-11の店舗が入ってる)。とはいえ、これだけ宣伝してるんならどうにかして欲しいところである。

 最後にもう一つの豆知識。
 台湾高鐵の車内は携帯電話をかけても良いのである。ただし小さな声でお願いします、だそうな。
 新幹線の車内でぐっすり眠ろうと思っても、日本ほど安眠は出来ない。まぁ何というか文化の違いですな。

2009/06/08

明石から神戸の夜景


 そうして短い夢の日々の終焉。
 明石海峡大橋のあたりで、後ろの席の親子連れが何かつまらない会話をしていた記憶があるが、幸いにして内容は思い出せない。


 神戸空港が見える。
 後ろの親は旅行の費用を安くするために、ガキの学校を休ませたようだった。こういう親の子は決して、鳶から生まれた鷹にはならないだろう。

 旅行のシメがダメな旅行者というのも、らしいといえばらしいような気がする。ともあれ、これで今回の台南旅行の写真紹介は終わり。
 なお、過去の記事は既にあちこち書き加えてあるが、今後も大幅増補の予定。あとは日本で食った台湾料理の記事なんぞも載せるが、更新ペースはかなり落ちるはずだ。
 生きている限り「次回」は必ずある。その準備に入るまで、しばし冬眠である。mixi経由の皆さん、アドレスを教えたリアルな知り合いの皆さん、もしもすべてを読破した人がおられたら、その徒労に感謝いたします。お疲れ様!

キャセイパシフィック航空の機内食2(台北→大阪)



 空港では全く時間がなく、駆け足で乗り込んだ帰国便。行きのエアバス便(事故ったのと同型だよな…)より座席が広く快適だった。
 で、機内食は「チキンオアフィッシュ」だったと思う。パスタは乾きはじめていた。別に機内食にグルメも満足なものなんて求めないけど、楽しみにするようなシロモノではない。

統聯客運バス(高鐵桃園→桃園機場)


 高鐵桃園駅からのバスは30元。桃園市内行きは免費(無料)なのに、こっちは有料だ。まぁ30元で文句言っても始まらないが。
 座席は御覧の通り。古びているが広いとみるか、広いが古びているとみるかは人それぞれだ。空港行きバスはせいぜい20分程度なので構わないけれど、本当の長距離バスでこのシートならちょっと考えるなぁ、という椅子だ。


 チケットは乗り場で買う。別に言葉は必要ない。乗りたいという態度でお金を払えば良い。一つだけ注意することは、乗車後にターミナルを間違えないことだ。
 バスは第二ターミナル、第一ターミナルの順に進む。キャセイは未だに第一なので仕方なく乗り通すけれど、第二の方が遙かに大きなターミナルのようだし、ちょっと残念だ。
 第一ターミナルは狭いし店も少なかった。まぁ我々はかなりギリギリだったから、充実していても利用する時間がなかったけど。

2009/06/07

台湾高速鐵道台南駅と700T車内


 火葬場で終わるのもアレなので、最後の台南は高鐵で。
 台南駅は本線が通過型という、新幹線の途中駅と似た配線である。ただし通過線と停車線の間に柵が設けられているため、通過してもほとんど見えない。


 さぁ700Tの接近だ。相変わらず薄汚れているぞ。まぁ東海道新幹線だって、先頭のノーズを間近で見れば汚れているけどさ(いろいろ衝突するから仕方ないだろう)。


 車内。自由席はこの時点ではガラガラ。しかし桃園で降りる頃には満席で、立ってる客もいた。しつこいけれど、これだけ乗って累積赤字が増える一方なんてのは、どう考えても政治が悪い。さっさと銀行に泥を被らせろってことだ。

台南市殯儀館


 タクシーの窓から「お、寺かな?」と撮ったわけである。
 写真を確認してびっくりだ。こんなもの撮ってどうするんだ(といいつつ載せる)。

金得春捲


 富盛號とはほぼ並びにある金得春捲。富盛號の行列が店の前まで届いてしまう状況だったが、こちらは有名店のわりに空いていた。まぁ手巻きの春捲なので、それほど待たずに買えるというのもあろうが。
 店先の写真を撮り忘れたので、いきなりテイクアウトの箱。


 春捲といっても揚げるものではなく、かといってベトナム的な生春巻とも違う。何が違うって、皮がほぼクレープなのである。
 そこにエビ、肉、野菜、臭豆腐らしきものなどをくるんで、軽く表面を焼いてある。


 これがまぁ、何ともうまい。具材はわりと甘めだけど、もちろんこれはお菓子ではなく、立派な食事である。けっこうなボリュームで30元という価格も素晴らしい。富盛號の碗粿とこの春捲で、我々は機嫌良く高鐵の客となったわけである。

富盛號


 いよいよ台南滞在時間もリミットを迎える。しかし何か食わねばならない。そこでテイクアウトにチャレンジだ。
 ちょうど目の前には、碗粿の有名店の富盛號があった。行列が出来ているけれど、この程度ならどうにかなるのでは……と並ぶことにする。


 しかし、ことはそう甘くない。碗粿とはお碗に盛った材料を蒸して作るわけだから、品切れになれば次の蒸し上がりを待たねばならない。
 さらに、店内で食べる客もいるし、予約客もいる。見た目はそれほどでもない行列がなかなか捌けず、二度の蒸し上がりを目の前で見送る羽目になった。まぁ時間はどうにかなったから別にいいのだが。
 ……というか、せいぜい待ったのは二十分弱である。もっと早く食べたければ、店内で椅子に座るのが良い。


 タクシーで高鐵台南駅まで移動、ホームでとりあえず食べることに。


 中身はこんな感じ。ちなみに、タレは自分でかける。
 モチっとした感触で、甘すぎずしょっぱすぎず、なかなかの美味。人気があるのもうなづける。でも、こんなQQばかりじゃ台南人のアゴが退化するぞ。

長楽市場(二) 市場のにぎわい



 なかなか腰を落ち着けて巡れなかったのだが、市場は面白い。水仙宮に近いコアな部分は肉や魚で、通りに面した方には小吃が多かった気がする。けれど、水仙宮の真裏は食い物屋だったな。確か。道が判らなくて無理矢理通り抜けたので記憶にある。

2009/06/05

看西街台湾基督長老教会


 台湾のキリスト教は、大英帝国伝来の長老派が大きな勢力をもっている。なかでも1865年以来、この辺で布教が行われていたという。そんな歴史を元に建てられているらしい(現在の建物はそれほど古いわけではない)。

 まぁしかし、ここも撮影した記憶がない。時間に追われつつ、某店を探し回っていたのである。

水仙宮


 市場の中に埋もれる三級古蹟。元はもちろん宮が先にあって、その参詣路に市がたったのだろうが、最早ここは市場の店の一つのように溶け込んでいる。とはいえ、だから信仰されないってわけでもなかろう。とりあえず、気のいい神様ってとこだ。

 言うまでもなくここは海運の守護神。港町にあって、清の時代から信仰を集めていた。 


 実は水仙宮をここまで埋もれさせてしまったのは、日本の負の遺産であるという。
 日本統治時代に台南は埋め立てが進み、ここは港町ではなくなった。そこで信仰が下火になったところに、第二次世界大戦が始まった。水仙宮周辺には防空施設が計画され、それなりに広かった境内敷地のほとんどを削られてしまう。
 日本が去った後に空き地は市場となり、現在へ至る……ということのようだ。軍事施設よりは市場の中の方がまだ幸せな余生に違いない。

南沙宮


 和平街の小さな宮。黄府千歳を祀るという。

 実はこの時間はかなり焦っていたので、ここで撮影した記憶すらなかったりする。いつかゆっくり歩きたいものである。

2009/06/04

海安路の壁面アート

藍曬図
 海安路と神農街の交差点付近には、壁面が鮮やかに塗られた建物が林立している。間違いなく台南きってのオサレエリアである。
 この写真は「藍曬図」というパブ。現地ガイドにもかなりの確率で載っている、藍色の壁面の店だ。もっとも、藍色なのは写真の右手の方である。ライトアップされていない昼なので、被写体としてはイマイチだった。



怪獣茶舗
 一番下は怪獣茶舗。築80年の建物を利用した有名店だ。時間があれば入ってみたのだが。

西羅殿


 大陸は泉州の移民が、広沢尊王を奉じて創建したという西羅殿。神農街が南勢港によって栄えたのに対して、こちらは南河港。五條港でも最古とされる港だったそうな(こちらで働いていたのは郭姓与力)。
 なお西羅殿の「西」は、「東」嶽殿、「北」極殿などに対する呼称である。南極殿もあったらしい(今もあるか?)。

 まぁそんな歴史の舞台だったのだが、そろそろ時間が怪しくなりかけていたので外観のみ。

大竹林汾陽殿の一行はここに来ていたらしい。

接官亭石坊と風神廟

接官亭石坊
接官亭石坊
 接官亭石坊と風神廟、西羅殿は一箇所にかたまっている。なかでも先の二つは事実上一体化。というか、接官亭は址地に過ぎない。
 この接官亭は、文字通り官を接待した場所である。清の頃の台南では、この辺がまさに船着き場であった。そこで大陸からやってきた官員を最初にここで迎えたわけである。
 なお、ここは城門(大西門)のわずかに外側。蒋元枢が作らせた一八世紀の地図には、風神廟と並んで描かれている。

接官亭石坊
 「鱉柱擎天」とある。スッポン?

風神廟
 風神廟は、その清の官員たちが拝拝した廟である。船で往復する彼らだから、風神に祈りを捧げるのはごく自然なことといえる。
 ただし、ここには日本統治時代に移転した。元々はもう少し遠かったが、今の民権路を広げる際に以前の廟は破壊され、接待する相手のいなくなった屋敷址に移転させられたわけだ。

 なお、我々が訪れた時は祭礼が近かったようで、石坊の周囲には幔幕が張られ、風神廟内部では何やら打ち合わせ中だった。

2009/06/03

薬王廟

薬王廟
 薬王大帝を祀る薬王廟。ものすごく狭い敷地に建ったビルディングである。

薬王廟
 主祭神の薬王大帝は、いわゆる神農氏だそうである。そこから神農街という名がついたという話は、もう何度も書いたので割愛。

薬王廟
 左手の階段を登ると集会所があって、さらに上へと階段が続く。やっとのことで辿り着いた三階からは素晴らしい眺望……はない。周囲もみんな同じぐらい高いのだ。台南はコンクリート高層社会である。
 まぁともかく拝拝はしておいた。帰国日なので、無事に帰れるよう念押ししてみたが、薬王廟でそんな念押ししてもしょうがないような気もする。まぁ無事だったから良しとしよう。

薬王廟近くの神農街と猫


 神農街を運河方面へと歩く。するとやがて通りを塞ぐ巨大な何かが見えてくる。それが「神農」を祀る薬王廟である。
 海安路を離れるにつれ、人通りは少なくなる。いい雰囲気の街並だ。


 そんな街並には猫がいた。
 台南という街の印象をいえば、野犬だらけってとこなんだが、珍しく猫だ。私は犬が嫌いで猫が好きだ(どうでもいい)。


 猫はそんな空気を察知して(わけあるか!)、こちらへ寄って来たぞ。


 そして目の前でゴロンゴロン。国変われど猫に国境はない。妙に納得した。もちろんなでなでした。