2010/09/06
萬福庵(一) あなたは孫悟空と契りますか
現在の萬福庵は、だいたい築40年ほどらしい。なんとも独特な建築だ。もちろん鉄筋コンクリート。
なお、手前に写っている車は、照牆の前に停まっている。見比べれば、相互の位置関係は推測出来るだろう。
本殿の前にある大樹は「猴霊樹王公」とある。
たぶんガジュマルだが、この太い幹は別の樹木としか思えない。ガジュマルは他の樹木に巻きついて絞め殺す植物なので、もしかしたら霊木をガジュマルが殺してしまった……なんてことはないか。
なお、なぜ「猴」かは後ほど分かる。
もう一つ、写真の左側に民家の門が見えるのに注目して欲しい。ここが台南きっての古い屋敷、陳厝である。
寄付金募集中の看板を横目に、中に入っていく。
本尊はあくまで観音である。なんか顔が変だけど、たぶん観音である。両脇の仏は何者か分からないが、観音である。
しかし萬福庵は一般には、手前の左右に鎮座する方が有名だったりする。遠目には普通の神像だが、よく見れば(写真をクリツクしてね)サルだ。彼はただのサルではなくスーパーなサル、その名を孫悟空と言ったりする斉天大聖だ。
『台南歴史深度旅遊』によれば、ここの孫悟空は子どもの神様だという。幼い子に取り憑く邪悪な者を追い払ってくれるので、子どもが生まれたら悟空と「契子」する風習があるとのこと。オッス、オラゴクウ。オラと永遠の心を結んでくれ……は契り違いである(たぶんネタが分からないと思われるので書いておきます。五木ひろしです)。
奥には、いかにも仮住まいという感じで地蔵王菩薩が祀られていた。
なお、今さら説明するまでもなかろうが、観音と地蔵が祀られていても、仏教寺院の雰囲気は皆無である。大観音亭や正徳堂、普済殿などと同様、三教ごちゃ混ぜの信仰体系の廟だ。台南の信仰は基本的にこういうもの、と断言しても良さそうだ(この後で、ある意味では衝撃の仏像が登場するぞ)。
地蔵はなかなか良い造型だった。彼にこんな仮住まいを強いるべきではない、とお考えの人は、己のゼニを寄付するが良いぞ。
続いて二階へ登る。いろんな意味で考えさせられるので、例によって刮目して待つべし!(刮目はしなくていいです)
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