普済街と民族路の交差点。
その先には何やら廟があるらしい、そんな景色だ。
薄暗い市場と化した普済街は、ここでは杉行街と呼ばれる。福建から運ばれた杉材は、ここの港から各地へ運ばれたという。そんな歴史ある通りに、非常にこじんまりとした廟宇がある。
景福祠は五條港の一つ、仏頭港付近に住む人々が祀った土地公廟である。土地公廟は崇安街の
頂土地公廟や
総禄境廟(下土地廟)を参っているけれど、ここは台南で唯一の三級古蹟指定である。もちろん、古蹟指定に大した意味はないが。
清の乾隆15年(1750)創建で、19世紀の石碑などで歴史的にたどれる辺りが、指定の理由なのかな、と思われる。
一週間はもちそうな巨大線香が目にとまる。もちろん主祭神は福徳正神(土地公)。
内部はとにかく狭い。福徳正神の他に、観世音と火徳聖君を祀る。「萬物資生」の扁額は嘉慶年間のもの。この時期(19世紀初頭)に祠は火災で焼失、再建時に掲げられたものらしい。
かつては蔡姓の苦力たち(「前埔蔡」と「大崙蔡」)が争い、死傷者を出したという港町の名残りはほとんど見られないが、水仙宮とともに市場に埋もれる現在も、まぁそんなに悪くはないような気がする。
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