あまりに買い過ぎて、来月は博客來網路書店のプラチナ会員に昇格らしい。というか、金額的には既に最上級の鑚石(ダイヤモンド)会員の資格を得ているわけである。購入回数が足らないから昇格見送りってのも腑に落ちない。海外から一冊ずつ買う奴はいないぞ。
ちなみに、上級会員は優恵券(クーポン)が若干もらえる。あとは誕生日に買うと5%off。それだけである。それとは別に、25元のクーポンをいくつかもらった。それだけのために大金を使う必要はない。
実は、購入回数など簡単にクリア出来る。単にまとめ買いをせず、一冊ずつ別に手続きすれば良いのだ。どうせ同じ日に頼めば一緒に送られて来るし。
しかし、輸入消費税の支払いはなんとも厄介だ。これと受け取りがサイン(ただしカタカナ)であるせいで、仕事先に送ってもらうわけにいかず、平日は受け取りに難儀している。免税書店はどこかにないのか。あるわけないか。
●劉豊(絵図)曹銘宗(解説)『台灣宗教之美-迎媽祖』(聯經出版公司2009.5.7)
今回の一押し。簡単にいえば、絵本である。折り本になっていて、広げると媽祖遶境の行列が再現されている。
媽祖の祭礼は若者をも巻き込みながら、今も台湾に根付いている。そんな主張もあちこちに読み取れる。まぁその主張については保留しておくが。
なお、裏は裏で別の行列が描かれている。そちらも楽しい。絵本と割り切れる人なら買うべし。
●王健旺『台灣的土地公』(遠足文化2003.3.12)
「台湾的」というタイトルは、台湾人というアイデンティティを語る政治的意図を含んでいる。国民党時代の書籍である「深度旅遊」シリーズ(遠流台湾館)が日本統治時代を抹消しようとするのに対して、民進党政権下での『台湾人的神明』『台湾的城隍廟』、そしてこの『台湾的土地公』は、国民党の植民地からの独立を意図しているようだ。
で、なんといっても「土地公」は台湾人の核と位置づけられる信仰らしい。実体は日本の道祖神と何も変わらない、要するに土地の神を祀る信仰であって、本来は別に「台湾」という単位で語るべき対象でもなかろう。しかしそこに福徳正神という統一神格が付与され、整理されていく途上といったところなのだろう。
考えてみれば日本の道祖神にしろ、「道祖神」という統一神格は、しょうもない一国民俗学の基盤であったに違いない。土地の神への信仰を普遍化すれば、逆に国家という単位を超えてしまうはずだ。少なくとも、台湾と日本の土地神は容易に同一視出来るのである。
●喀飛(撮影:蔡宗昇)『深度旅遊17 台南』(太雅生活館2003.11)
台南のガイドで入手可能なものは、ほぼこれで揃えたことになる。ただ、これはハズレ。買うなら以前に紹介した他のガイドの方が役に立つ。
なお、太雅生活館の本を一定額以上買うとパスポートケースがもらえるということで、同じシリーズの『鹿港』も買った。こっちはまだ使える。鹿港にも行きたいなぁ(台南と鹿港を同時にまわる方法はないものか)。
●林進源主編『台灣民間信仰神明大圖鑑』(進源書局1996.12/2007.4五刷)
編者と出版社が同じというのが怪しいが、とりあえず内容は悪くなさそう(まだ読みはじめ)。拝拝の方法とか基本知識も書いてある。
列挙される神々を見ていると、本当に誰でも祀るもんだなぁ、と感心する。そりゃまぁ、日本にも有名人の祭神はいっぱいいるけどさ。
●董芳苑『台灣宗教大觀』(前衛出版社2008.8)
その3で紹介した『台湾人的神明』の姉妹本みたいなもの。こちらは宗教別に解説されているが、台湾独自の信仰について丁寧に解説されてあるので、そういうものに関心のある人は買っておくべし。
まぁ董芳苑氏は解説の中に「台湾共和国」とか書いちゃうお茶目な人である。今さらだけど、台湾独自の信仰を求める動きは、台湾人というアイデンティティ確立の一環なのであろう。
●陳信聰『幽冥得度―儀式的戲劇觀點 台南市東嶽殿打城法事分析』(唐山出版社2001.7)
「清華人類学叢刊五」として刊行されたもの。タイトルの通り、東嶽殿の打城法事についての研究入門書である。なかなか読みづらい(というか、ある程度の予備知識が必要)だが、最近になって少し読めるようになってきた。興味のある人は買おう。
※二冊追加した(2010.1)
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