2010/07/21

北港朝天宮の出巡遶境行列(八) 執事牌と鑾駕儀杖隊

執事牌
 鳴り物に続くのは執事牌。台湾の廟にいくと、必ず見かける彩牌が、一隊をなしている。
 ……とはいえ「一隊」と表現してはみたが、単に手押し車が数台通るだけである。

 この手押し車は、写真をよく見ると分かるけど、地面に近いところにスピーカーが取り付けられていて、けたたましい音楽を流している。
 『台湾宗教之美 台湾』では「三十六執事隊」というのが載っていて、十二面の彩牌を持つ人々が描かれる。執事牌も十二なので、基本的に同様のコンセプトと思われる。
 しかし、執事が一つずつ持って行進するのと、これは相当に印象が違う。なり手が不足しているのか、単に朝天宮の流儀なのかは不明。

執事牌
 一台につき六つ刺さっているが、同じ彩牌が二つずつなので、書かれてる言葉は三種類。で、全部で四台だから、十二種類である(『台湾宗教之美 台湾』の十二面は、六種類が二つずつらしいので、こちらの方が倍になるようだ)。
 役割については、書かれてる言葉を読めばすぐ分かるだろう。これも神がやって来る先触れである。普段は廟の入口近くに立て掛けてあるので、拝拝する人への注意書きみたいに見えるけど、本来はこういう使い方なわけだ。

鑾駕儀杖隊
 続いて鑾駕儀杖隊。媽祖の前を護る者たちということになる。
 ちなみに、写真の手押し車に媽祖が乗っているわけではない。順序としては、彼らの後方にいることになる。もっとも、出発時はともかく、この時点での巡行は順番通りだったのか怪しいけどね(彼らの後ろは別の団体だった)。

鑾駕儀杖隊
 儀杖隊は十八種類の武器を二人ずつで、それが「三十六執事隊」の名の由来らしい。しかしこの儀杖隊は十八人のようだ。どこでも同じ数というわけでもなさそうで、六の倍数であれば良いのかも知れない。
 この人たちは高校生かな?

2010/07/18

北港朝天宮の出巡遶境行列(七) 北港震威團

北港震威團
 こちらも鳴り物。
 後ろの人が鼓を叩いているのが見えるだろう。

北港震威團
 嗩吶(チャルメラ)も鳴り響く。日本のラーメン屋は一人だが、ここでは集団で吹くから相当な音量である。街を非日常に巻き込むには、これぐらいの音量が必要なのだろうか。

 ちょうど昨夜、祇園祭の神幸祭に遭遇した。台湾帰りの身には、日本の祭はずいぶんおとなしいもんだなぁ、と思えたわけでござる。

北港朝天宮の出巡遶境行列(六) 北港聖震聲

北港聖震聲
 続いては北港聖震聲。名前の通り、鳴り物の一団である。
 掲げられた刺繍旗には「駕前開路鼓」とある。まさしく神幸の先触れとなる、聖なる音色を奏でる集団ということになろう。
 参考としている『台湾宗教之美 迎媽祖』にも、開路鼓が描かれる。ただし自転車の後部に太鼓を据え付けた絵である。こちらの方がとりあえず立派だ。

北港聖震聲
 写真中央に、でっかい銅鑼が見える。

北港聖震聲
 とにかく鳴り物の一団である。

北港聖震聲
 この神輿の後ろにも鳴り物があった。
 次の一団とともに、ひたすら音で媽祖神の巡行を触れ回っていた。

2010/07/16

北港朝天宮の出巡遶境行列(五) 北港武德堂

北港武德堂
 北港武徳堂については、こちらに説明があった。少林達摩拳の一派だとか書いてある。どこかで演武があったのだろうか。
 我々が遭遇したのは、どこかの遊園地から抜け出して来たかのような車の一団であった。これでもサイドミラーがついているのが逆にすごい。

北港武德堂
 少林達摩拳という以上、やはり達磨である。
 威厳のない達磨もいずれ紹介するが、こちらは日本でおなじみの達磨と呼んで差し支えない。

北港武德堂
 腹の辺りに穴が空いてないので、この達磨は歩かない模様。その意味では地味な部類に属するが、なんだかんだ言ってもこの顔はインパクト大だ。

北港武德堂
 達磨の後ろの車。前面に神棚があるという画期的な車だ。絶対に暴走出来ないぞ。
 なお、上の達磨の写真もこれも、みんなスイカを食べている最中でござる。これが五月初旬でなければ、まるっきり日本と同じ光景ですな(もっとも、京都も暑かったらしいが)。

北港武德堂
 この車は鳴り物隊である。恐らくは三民主義的塗装と思われる。台湾の子どもは、果たしてこういう車に憧れたりするだろうか。

北港朝天宮の出巡遶境行列(四) 北港童聯會その2

北港童聯會
 勿体ぶって二つに分けるほどの中身はないけれど、神童の続き。
 こんな感じで踊り出したのを遠くで見て、慌てて近寄って見学。既に一人目は踊り終わっていて、二人目が頑張っている。

 なお、一つ頭が招財童子、写真の二つの方は進宝童子らしい。よく紅包に書かれてるもののイメージのようだ。
 いずれにせよ、こういうかぶり物キャラとして練り歩くようになったのは、せいぜい40年ほどのことの模様。『台湾宗教之美 迎媽祖』には、台湾特有の神だなんて説明してあるが、それもどうなのかねぇ。
 董芳苑氏や劉還月氏らは、国民党政権下の台湾で現世利益志向が急激に強まったことを指摘していた。まさにその具現化がこの神々なのだろう。

北港童聯會
 こんな顔をして、実は野球賭博を助長していたりしないよな?
 そういえば中込は罪状を認めたそうですな。台湾プロ野球の八百長では、台南県議会の議長(国民党籍)が逮捕されたりして、相変わらず暴力団が議員やってんだなーと思ったけど、そこまで行くと写真と関係ないですな。

北港童聯會
 ちなみに、なぜここで踊るかという疑問への一つの回答が、上の写真に見える。ここでスイカの接待が行われていたのだ。
 もちろん、当事者的にはありがたいサービスだろうが、こうした接待によって行列の進行が滞ったのも事実である。一団体につき数十人単位でスイカを食べるのだ。
 まぁ眺めている側にとっては、じっくり見れて良かったけどね(この後、我々はこの店よりちょっと先の地点に移動した)。

 なお、手前の阿桑が燃やそうとしているのは、神童が首から提げているもののようだ(見学時は気付かなかった)。神銭の一種なんだろうけど、どういうものなのかご存じの方は教えてくだされ。

※おまけ。ここを押すと北港朝天宮の地図が表示されます。

2010/07/14

北港朝天宮の出巡遶境行列(三) 北港童聯會その1

北港童聯會
 人混みに紛れつつやって来るヤツは誰だっ!
 妖怪を探知する鬼太郎みたいに突っ立った髪がトレードマークの神童だっ!
 ものすごく紛れているが、二人いるのでよろしく。

北港童聯會
 これは二号機。頭の上の探知機突っ立った髪が二つなのが、一号機との相違点である。恰幅のいい姿は、まるで演歌歌手が選挙に出たかのようだ。
 神童というからには子どもだ。しかしデフォルメ神にしては、やや目が小さい。どことなくオッサンくささを滲ませている。きっと中の人は………。

北港童聯會
 神童たちは特に踊るわけでもなく、実に淡々と歩いている。生足がのぞいてしまっているのが若干悲しい。
 この時点では、こんな姿なのにあまり非日常を感じさせない神様なのであった。

北港朝天宮前
 後ろ姿を眺めて見ると、まるでリングインを待つボクサーのような哀愁を背中にたたえている。いや、体型的にいえば、ファンにもみくちゃにされながら入場する長州力あたりだろうか。


※しかし神童は、牙を隠して寝たふりをしていたに過ぎなかった。突如として躍動をはじめた彼らは、たちまち街を異空間に染め上げていく。危うし北港鎮!(嘘です)
 そんな神童たちの活躍は(四)にて紹介予定だ。来週もお楽しみにねっ!(一週間もかかりません)

北港朝天宮の出巡遶境行列(二) 北港聚英社玄龍陣

北港聚英社玄龍陣
 続いてあらわれた北港聚英社玄龍陣。
 先触れの繍旗は、極めて原始的な車である。ただし、写真では分からないだろうが(分かったら大変だ)、スピーカーが取り付けてあり、大音量の音楽を鳴らしている。まさに先触れなのである。

北港聚英社玄龍陣
 ナンバープレートを隠した車がやって来た。
 金鼓を鳴らしている。

北港聚英社玄龍陣
 そしてメインの龍だ。
 暑い日中の行列で疲れた様子がうかがえる。

 しかし、その後ろに誰かがいる! 11人いる!(叫んでみたかっただけで、特に意味はないです)

北港聚英社玄龍陣
 哪吒三太子(中壇元帥)があらわれた!
 うつろな瞳であらわれた!

北港聚英社玄龍陣
 しかしやっぱり彼には自分の足で歩いてもらいたいなぁ、と思った。
 これはデフォルメタイプじゃないので、ぶらーんぶらーんと歩くだけだけど、それがいいんじゃないか(たぶん、どこかでは歩いていたはず)。