2009/05/10
孔子廟とリス
台南市内の一級古蹟の一つとなっている孔子廟。学校として台湾の発展を支えたという価値はあろう。もっとも、孔子廟そのものは、どこで見ても変わり映えしないよね。奥の変なポーズは太極拳である。
境内では何やらモデルを使った写真教室などが行われていた。残念ながら台南では、ブライダル写真の撮影に出くわさなかった。
その昔の自分の式の時には、外国人観光客の見物の的となって写真を撮られたものだ。まぁ観光地で式を挙げる方が悪いんだけどさ(京都市北部の某有名神社)。
※2010.11文章を全面的に修正。続編とともに御覧あれ。
続編:学問の府としての孔子廟
東大成坊(という名の門)。清の蒋元枢の頃(乾隆年間)に造られたのではないかという説がある。
その向こうに見えるのは府中街。台南のオサレストリートだ。
※府中街および泮宮石坊についての記事
・府中街
・愛の惑星の府中街
・鳳凰城の泮宮石坊
大成殿。孔子廟の中心となる場所で、孔子一門を祀る。
屋根の上に塔が乗っているのは、珠宮という。台湾の廟の屋根の中央ははよく乗っているものだ。火除けのまじないらしい。
むしろ珍しいのは屋根の両端にちょこんと突き出た部分。これは通天筒(蔵経筒)といわれ、孔子廟特有の装飾とされる。
朱子学の祖となった朱熹が孔子を祀った時のものだとか、秦の始皇帝の焚書坑儒から儒書を守るために置いたとか諸説あるようだが、まぁ仏教の経筒と似た発想なのは確かだろう。
台南孔子廟の格式を示すのが、扁額である。写真に見えるのは清代のもので、一番奥の大きいものは康煕帝からのもの。一方で右端の青いやつには「蒋中正」とある。左端の黒っぽいのは、実は蒋経国だったりする。
ここには清朝の各皇帝が扁額を掲げさせていた。それは民国に変わっても同じである。三民主義を唱えた独裁政権の総統は、皇帝そのものである。
散水螭首。螭首は大天后宮にもあったが、ここの龍の口からは水が出る。格式の高さを示す装飾なのに、一方では排水口だったりするわけだ。
日本からの「台湾一周ツアー」みたいなやつは、だいたい赤崁楼と孔子廟、もしくは延平郡王廟だけを巡るようだ。我々が訪れた時も、堂内で日本語の解説をしていた。この旅の中で、日本人ツアー客と出くわした唯一の機会だった。
ただ、ここを訪れて台南を知ることになるだろうか? 東嶽殿に行けとはいわないが、老街の一つぐらいは歩かないと、寺廟に関心の薄い一般層にとって、台南は単なる退屈な中継地に過ぎないのではないか。
まぁそもそもツアー参加者は、ほんの数日ですべてを見てまわれるという発想なわけだ。とりあえず初めての土地で降ろされて、リスでも見たら満足かな? 我ながらイヤミな書き方だ。
タイワンリスがちょろちょろする木の周りには、いつも人だかりが出来ていた。けっこう獰猛だって聞いたけど、我々の前で人が襲われたりはしなかったぞ。当たり前か。
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