2009/12/30

水仙宮青草店(台南市中西区)

水仙宮青草店
 小吃店がひしめく台南市の永楽市場。
 その入口に青々と草が茂るエリアがある。

水仙宮青草店
 ここは「食尚玩家」にも登場したらしい(雑誌に載ってるし)水仙宮青草店だ。上の写真のおばあちゃんが看板娘だ。
 ここは五月にも通りがかって、八月には三度も通過した。で、三度目にようやく青草茶を買った。高鐵車内での食事を、このエリアで調達したわけである(隣の阿松割包でも買った)。

 はっきり言うが、青草茶は美味しい飲み物ではない。
 苦茶は台北で飲んだから、今回は普通の青草茶にしたけれど、基本的には苦茶よりややマイルドな苦味であり、食事にも合わなかったぞ。
 まぁ要するに食事のドリンクじゃなくて、肉体疲労の栄養補給に飲むべきである。安いし、台湾らしい味なのでぜひ。

水仙宮青草茶
 なお、台北の龍山寺周辺でもそうだったように、青草茶の店は草を茂らすもののようだ。
 こちらは永楽市場の中にあった店である。

慈和堂(台南市中西区)

慈和堂(台南市中西区)
 西門円環にある非常に小さな廟。
 非常に小さいといっても、このブログの平均から言えば「わりと」小さい程度だが。

 玉府千歳を祀っていて、春には「炸寒單爺」なる祭礼があるらしい。この名でyoutubeを検索すると、壮絶な映像が見つかるので気になる人は是非(そのためにあえて「單」としてある)。

2009/12/27

武廟肉圓(台南市中西区)再び食す

武廟肉圓(台南市中西区)
 前回の旅でかなり気に入った食べ物の一つが、ここの肉圓であった。
 しかしここは営業時間が短いし、一度は食べた店なので、わざわざ出掛ける予定はなかった。で、北極殿から大井頭を通って祀典武廟に歩いたら、当然通りがかったわけである。
 しかも店は営業中で、しかもはっきり言って客はいなかった。なので勢いで座ってしまった。

武廟肉圓(台南市中西区)
 肉圓はうまい。が、前回とは何かが違う気がする。
 なんだろうなぁ……と考えてみると、やはり客の数なんじゃないかと思う。前回は席を確保して開店を待っていたから、蒸籠が運ばれてきた時の盛り上がりや、周囲の客のしゃべり声など、いろいろ楽しい要素があった。
 次回はどうだろうなぁ。場所が場所なので、必ずここは通るはずだが。

武廟肉圓(台南市中西区)
 というか、宅急便を受け付けるぐらいだから、けっこう大量に作ってるはずだ。
 ガイドには「幻の肉圓」と書かれたりするけど、それはちょっと眉唾ではないかと思う。ともかく祀典武廟の真ん前なので、開店してたら一度は食べてみるとよろしい。ワサビが合うよ。

北極殿(二) 門神画

台南北極殿
 天壇から雨上がりの路地を歩き、すぐに北極殿に着く。前回は近所の再發號に寄ったりしたが、今回はパスした。どうも前回は客のいない時間に食べたので、ちょっと印象が落ちるのだ。やはり店の活気というのは大事でござる。
 それはともかく北極殿は、門神画を見るために来たといって良い。前回の旅とは違い、どこで何を見るべきかという知識だけは増えた。

台南北極殿
 西華堂などと同じ潘麗水のもの。天壇の潘岳雄の父である。
 といっても、私にはそれぞれの作風を批評する眼がないので、ただ指摘するのみだ。

台南北極殿
 尉遅敬徳(?)は全身を撮影できる場所がないので、足元が切れている。
 もしも尉遅敬徳マニア、あるいは潘麗水マニアの方で「足元が見たい!」という人がいたら申し出てくだされ。下半身だけの写真は撮ってあるので。

台南北極殿
台南北極殿
 黒い門扉画は、秦叔宝と尉遅恭ではなく龍や二十四節気などが描かれるものだ。
 正直、秦叔宝と尉遅恭には食傷気味だったので、こういうイレギュラーなものを見るとほっとする。

台湾首廟天壇(三) 武聖殿と驟雨

台湾首廟天壇
 天壇の主祭神は玉皇上帝であるが、いろいろ周囲に増築されて、ちょっとした迷路のようになっている。ここは正面から見て右側の建物。一階は駐車場などになっていて、二階が廟である。武聖殿という場所である。

台湾首廟天壇
 武聖殿の主祭神は関帝だ。文衡聖帝とは、関羽が文武ともに秀でた人物であったことの、文の側に名づけられた神格である。

台湾首廟天壇
 なお、関帝(文衡聖帝)は元から天壇の祭神だったわけではない。『台南歴史深度旅遊』によれば、市内にあった黄檗寺の祭神だったが、日本時代に寺が破壊されたため、引き取られたという。
 陳文達『臺灣縣志』(1720 臺灣文獻叢刊第一〇三種)には、次のようにある。寺院の名をもつが、関帝を祀っていたらしい。

黄檗寺、康熙二十七年、左營守備孟大志建。三十一年、火。三十二年、僧募衆重建。前祀關帝、後祀觀音三世尊佛、僧房齋舍畢備。周圍植竹,花木果子甚多。


 連横(連雅堂)『雅堂文集』(臺灣文獻叢刊第二○八種)には、廃絶につながる事情が記される。ちなみに、この文面を機械翻訳にかけたら滅茶苦茶なことになった。現代中国語文と古文はやはり違うよなぁ、と実感した。

·黄蘗寺
黄蘗寺在鎮北門外。康熙二十七年、左營守備孟大志建。花木蕭疏、境絶清邃、郡人以及勝地。乾隆間、有僧謀復明、事洩被戮。僧有神力、往來官紳間、而與知府蔣元樞尤善。藏金三百萬、將為起事用。及敗、悉遺元樞、且勸之去、亦奇人也。今廢。


 この「有僧」は不慧大師という人らしい。他の文献と重ねて読んでみると、そもそもこの寺は陳永華の住居址で、そういう由来もあって、常に明の復興を願う勢力の拠点だったようだ。
 乾隆間の事件というのは、北港義民廟の記事でも触れた、林爽文ら天地会の反乱を指す。この寺は天地会に呼応すべく、武器や軍資金を貯えていた。
 不慧大師は、当時の知府(府知事)蔣元樞と親交があったらしい。大師は武器類を焼却し、軍資金は蔣元樞にそのまま渡したという。方丈の不慧大師自身には反乱の意志がなかったということなのかも知れないが、天地会側と関係があったために最終的には処刑され、寺は荒廃した。

 そうした事情を考えると、日本がこの寺を完全に破壊した理由もある程度推測される。
 一つには、台南再開発において、あえて廃墟を保存する意味がないという実利的なもの。同時に、反清復明の拠点という歴史から、抗日運動に利用される可能性を排除したのではないかと思う。

台湾首廟天壇
 武聖殿の後殿は「五文昌帝君」を祀る。中央が梓潼帝君で、他に文衡聖帝や魁斗星君(赤嵌楼のレレレのおじさんだ)など。レレレのおじさんというか、赤嵌楼の文昌閣は「文昌」って名前で分かる通りの場所なので、同じ神がいるわけだ。

台湾首廟天壇
 こちらは武聖殿ではなく、本殿の後殿である。

台湾首廟天壇
 内陣はこんな感じ。中央が斗姥元君で、両脇は北斗と南斗である。

台湾首廟天壇
 斗姥元君(斗母元君)は千手観音みたいだ。
 どうも、腕だけじゃなくて脚もいっぱいあるらしいが……。

台湾首廟天壇
台湾首廟天壇
 門神画は潘岳雄作。ちゃんと刀の鞘に署名してある。

台湾首廟天壇
 ちょうどここを見学している時、突然外で音がし始めた。
 驟雨であった。

 普段の台南なら、たぶん「いつもの雨」で済むのだろうが、この日は2009年8月12日、つまり八八水災からわずか四日後である。
 断水の続く台南にとっては、この程度の雨でも歓迎できない。断水の原因はダムの水が濁ったせいであり、雨が降ることで沈澱しかかった泥水が濁り水に戻ったら、いつまで経っても解除されないのだ。
 なお、台南市中心部の断水解除は8月14日だった模様。


※2011.2 全面的に書き替えた。武聖殿についての記述が完全に間違っていたので、調べてみたら長くなってしまったゾ。

『喝茶、找茶、玩茶』を読む

 最近通販で買った本に『喝茶.找茶.玩茶』(宇河文化出版有限公司)がある。定価300元なので、送料を含めれば1300円ほどになる。
 この本は「台灣八大茶區深度導覽」と副題があって、茶葉の種類や特徴、主な茶葉の生産地紹介などから成り立っている。はっきり言って、茶藝館でくつろぐのが趣味という人向けの書籍ではない。基本的には生産者側の情報だからだ(日本でも農協や行政がらみの出版物はたいがい微妙な出来だ)。
 茶の味や茶器の選び方などを知りたい人は、同じ書店の「茶風系列」シリーズで別の本を買った方が良い。ただし、そういう方面の知識なら、日本語の書籍やWEB情報もけっこうあるので、無理に台湾書籍を買うこともないだろう。

 まぁ正直言えば「買って損した」類の本なのだろうが、そこそこ楽しめているのは、第一章「茶之邂逅」がそれなりに興味深かったからである。
 この章は順に「茶業的種類」「台湾茶重要品種」「台湾評鑑茶」「台湾八大特色茶」となっていて、小売の場の商品名ではなく品種改良された茶葉の種類などが書かれている。要するに日本の米ならば、産地ブランドじゃなくて「つや姫(うまいから来年秋に買ってね!)」「はえぬき」「コシヒカリ」といった品種を、ちゃんと登録名(たとえば「つや姫」は「山形97号」だ)から紹介しているのである。
 金萱茶は「台茶12号」で民国70年(1981)に命名、翠玉は「台茶13号」でこれも民国70年(1981)命名、紅玉は「台茶18号」で民国92年(2003)に愛称がつけられたばかり、などなど。まぁ実はこの程度の知識は、WEBでちょっと探せば見つかる。要するに、自分はそれをやるほどの関心がなかったに過ぎないのだが。
 等級別の市場価格表が載っているのは珍しいのではないか。自分の買う茶は相当に下のランクなのだなぁとか、一番上のランクはそんなに味が違うのかなぁとか、いろいろ興味深い。

 第二章は産地紹介。「八大」茶とは、文山包種茶、凍頂烏龍茶、台湾紅茶、白毫烏龍茶、鉄観音茶、緑茶、高山茶、低海抜半球型包種茶で、それぞれの産地、生産農家の紹介がある。オマケのように生産地区を歩くモデルルートや宿泊施設も載っているが、少なくとも日本の観光客がこれを見て観光できるかは疑問である。
 その中の高山茶の項に、南投県仁愛郷の産地紹介がある。振発茶行で買う「合歓山高山茶」はどうやらここのものらしいので読んでみたら、民国94年(2005)に仁愛郷農会が新たに命名したブランドだと書いてあった。私がこの本を買って、「まぁ良かったかな」と思えた瞬間であった。
 こうなると振発茶行の安い「烏龍種」の素性も知りたくなるが、まぁこれだけでは確かめようもない。次に行く機会があれば聞いてみるのが一番か。
 
 ともあれ、万人に勧められる本ではなく、むしろ日本語の書籍を買うべきだと思う。それでも関心があったら読んでみてはどうか、と消極的に宣伝しておく。
 どうでもいいけど、この本を買ってる日本人がいるのね。それも同じbloggerで。神田の東方や内山には置いてあるのかなぁ?

2009/12/21

台湾の書店でネット通販(博客來網路書店編)

 限られた旅行の時間を書店巡りで費やすのはもったいないなぁ、という所から始まったネット書店の利用。幸い、台湾の書店のネット通販は、大手ならだいたい日本発送可能である。
 もちろん、日本にも台湾書を扱う書店はある。それらの店の利点は、購入に際して日本語が通じること。その代わり品揃えは現地書店に全く及ばない上に、べらぼうに高い。まして某○方書店のように、日本の書店のネット通販で台湾書を買うとなれば、なんのメリットもないと断言して良い(かつての利用者として言っておく)。

 ここでは台湾のネット書店の最大手、博客來網路書店の利用法を紹介する。
 博客來網路書店は、台湾の大企業、統一グループに属する。統一グループには台湾のセブンイレブンが含まれるので、注文したものをセブンイレブンで受け取ることも可能らしい。ただし、あくまで台湾国内の話である。
 この書店が扱う品目は、台湾・大陸・日本などの書籍、DVD、CD、ホテル宿泊券、映画チケット、食品、生活用品、家電など非常に幅広い。ただし、食品や生活用品、家電などは海外発送不可となっている。台湾の書籍、アジア圏の音楽CDやドラマDVDなどが、主な購入対象となろう。
 通販にあたっては、次のような手順を踏む。

1:会員になる……パスポートとクレジットカードが必要
2:通販サイトで商品を選ぶ……日本のネット通販と同様
3:商品の状態確認……台湾書籍か大陸書籍かなどによって、到着日数が大きく変わる
4:購入……海外からはカード払いのみ

 このうち、ややこしいのは1と3である。

※2011.5追記
 博客來サイトがリニューアルされたので、以下のキャプチャー画像とは異なっている可能性があります。
 また書籍とDVDやCDでは、発送経路や送料が異なるかも知れません。購入手続きまでは一緒なので、特に問題はないでしょう。送料が書籍より高くなることもないでしょう(重量的に考えて)。


1:会員になる
 はっきり言って、これが出来れば八割方クリアーしたようなものだ。
 まず、http://www.books.com.tw/を開く(当たり前だ)。
 右上の「加入會員」を押す。すると「博客來網路書店-服務條款」という注意事項のページになるので、そこの「同意」ボタンを押す。すると下の画面になる。


 会員張號(ID)、密嗎(パスワード)、メールアドレスを登録。ごく一般的な手続きである。ちなみにderorenはGmailのアドレスを登録している。
 IDが他人とかぶってなければ、「下一歩」を押す。なお、画面の下の方に書いてあるのは、振り込め詐欺への注意である。



 ここが登録のメイン画面である(データが滅茶苦茶なのは笑って流すように)。
 注意すべき点としては、「非本国籍」を選んでパスポート番号を入れること、居住地で海外を選ぶこと。住所は購入時に改めて指定出来るので、ここでは日本で普通に書くように書けば良い。
 「下一歩」を押せば、あとは分かるだろう。登録メールアドレスに「博客來會員認證信函」というメールが届いたら、そこに記された確認用ページを開いて、登録終了。「會員專區」画面となる。

※追記 氏名と住所は台湾の字体にしないと、伝票上で文字化けする可能性がある。(こちらのオンライン変換サイト)で変換したものを使うべし。


 上の画像はポチッと押すと拡大する。
 画面左の「最新訊息」は書店からの情報。下の「個人功能」の最後の方にある「博客來訊息通知」ですべてを確認できる。なお、登録アドレスにも基本的に同じ内容が届くが、OCS(台湾→日本の輸送会社)の送り状番号はメールに記載されないので注意。
 ついでに説明しておくと、購入品は博客來からOCSへ渡り、日本で税関を通った後に佐川急便に渡る。OCSが税関処理をした翌日に、佐川の兄ちゃんが荷物を届けることになるが、佐川の送り状番号は分からないのが難点といえば難点。

 さて、左「個人功能」で通常確認すべきなのは「查詢訂購記錄」、要するに購入した商品の記録だ。ここを押して、日付指定画面は何も入れずに「查詢」ボタンを押せば半年分のデータが見れる。
 あとは住所氏名などの訂正が「修改個人資料」、その下はパスワード変更だ。

 で、上の画面で一番目立つのが「白金會員」であろう。右の「每月會員等級」で分かるように、購入額に応じてランクが上がるシステムである。で、プラチナ会員はダイヤモンド会員に次ぐ上から二番目のランクだ。
 さらに、右下の「次次月等級預測」では、あと何回、いくら買えばランクが上がるのか書かれている。私の場合は、金額的にはダイヤモンド会員になれるが、あと三回購入手続きをしなければならない。
 ただし、はっきり言ってランクが上がってもメリットはほとんどない。だいたい、一冊ずつ購入手続きをすればあっという間に回数なんて稼げるのだ(別々に処理しても、同一日の注文なら結局はまとめて届く)。

2:商品検索の注意事項
 特にないが、字体の違いに気をつけよう。検索して結果が0だった場合は、入力した文字列に、台湾の字体と異なるものが含まれているのでは、と疑った方が良い。見当がつかなかったら、とりあえず文字列を削って短くしてみるか、検索したい文字列を(オンライン変換サイト)で変換してみよう。
 買いたい物は「放入購物車」ボタンを押せば、とりあえずカートに入る(もちろんこれは購入決定ではないので取り消し可能)。そのボタンの上に「庫存=4」などとあるのが在庫。数字は0でなければ気にする必要なし。「0」でもボタンを押せるヤツは、そのうち買えるが時間がかかる。ボタンを押せないものは品切。

3:在庫確認
 また書籍の場合、「語言」という項目がある。
 「繁體中文」とあれば基本的に台湾の出版社、「簡體中文」は大陸だが、これは単に字体の違いを示すだけではないので注意。
 同じく「庫存=?」と在庫有り表示がされていても、その在庫がどこにあるのかという問題がある。「繁體中文」であれば手元にあるので、購入手続き後2~3日のうちには発送されるが、「簡體中文」は「海外庫存」、つまり大陸からの取り寄せとなる。下手すると二週間以上かかるぞ。
 なので、購入時に「繁體中文」と「簡體中文」を同時注文することはオススメしない。「簡體中文」は、台湾にとっても所詮は外国書籍だということだろう(日本で買うより安いので、急がなければメリットはある)。

 日本の書籍も売っているが、購入不可。日本書の翻訳版はもちろん買える。日本資本の雑誌(Taipei Walkerなど)も買える(ただし安い雑誌は二冊同時購入などの縛りがかかる場合あり)。
 それと、値引き販売の国なので、その辺をうまく活かすべし。雑誌でも、バックナンバーを特売することがある。私は雑誌「食尚玩家」の3冊100元セールを利用した。

4:購入
 画面右上の「購物車」を押すと、「放入購物車」ボタンでカートに入れた一覧が表示される。


 上はクリックで大きくなるぞ。
 この画面で大切なのは「庫存」表示。ここが「無」の場合は、購入手続きをしても在庫有りになるまで待たされる。また「預售」は海外の倉庫にあるので時間がかかる。
 もしもこの状態で購入手続きをすれば、三度に分けて荷物が到着することになる。何度になろうが送料は変わらないので、受け取る手間が気にならなければそのまま手続きしても良い。
 購入をちょっとやめようかなと思ったら「下次再買」を押す。「下次再買清單」に避けておき、たまにチェックして「有」になったら購入することも出来る。

 で、いよいよ購入だ。
 画面右下の「海外」ボタンを押そう。


 まず一番上の選択肢は「信用卡線上刷卡一次付清」、つまりカード払いを選択。ATMは台湾国内でしか選択出来ない。
 上の画像の「OK」マークは、選択すると出てくる。

 次に住所を記入する。ここはきちんと書かないと届かない。が、日本と台湾では住居表示の制度が違うので、そのまま書くわけにはいかないのだ。私は上の画面のように書いている。つまり、こうである(例が不穏当なのは気にするな)。
地址:町名・字など(例:地獄3丁目2-666 ダミアン京都1302)
城市:都道府県名(例:霊能県)
州/省/區:市町村(例:悪霊郡巫覡町)
郵遞區號:(例:666-1313)
國家:JAPAN
 これは決して台湾的には正しくないが、ラベルに表示される際に最も穏当ではないかと思われる順序だと思う。実際、問題なく届いている。

 ここまで書いたら、あとは「下一歩」を押して進めていくべし。金額を確認すると、送料の高さにびっくりするだろうが、これでも日本で買う半値以下なのだ。
 最後にクレジットカードの認証があるけれど、まぁこれはどこの国でも同じなので割愛する。無事に購入手続きが完了すれば、登録アドレスにメールが届く。また「查詢訂購記錄」に記録が残る。
 「查詢訂購記錄」(上で触れた場所)では、本が今どういう状況なのかも確認出来る。「調貨中」などを経て「出貨中」となり、「已出貨」となれば業者に引き渡されたことになる。
 在庫有りの書籍であれば、2~3日で「出貨中」になり、翌日には「已出貨」となるだろう。

5:到着まで
 出貨された書籍はOCSという輸入業者に渡され、航空便で日本へ送られ税関を通過する。その際に10000円を超えていると、税を徴収される。また検査のため開封されることがあるようだ。

※2011.5に注文した書籍は、OCSではなくFedExに依託されていた。いずれにせよ税関を通って運ばれることは同じ。送り状番号はメールに載っている。
 DHLに依託される場合もある。FedExより一日余計にかかる模様。

 税関を通った書籍は佐川急便に手渡される(※輸入業者によって異なる)。なおOCSについては「博客來訊息通知」の「出貨通知」に送り状番号があるので、そちらで状況を確認可能。日本の税関を経て引き渡されたと表示があれば、その翌日には家に届くだろう(都道府県によって違う?)。
 佐川の番号は分からない。また、受け取り時に税を徴収される可能性がある。受取は印鑑ではなく、カタカナのサインである。
 受け取ったら中身を確認しよう。残念ながら、某密林のように丁寧な包装にはなっていないので、たまに表紙に傷がついていることもある。返品が可能かどうかは知らない(個人的には、安く買えるんだからどうでもいい)。

 べらぼうに長い記事となったが、台湾のネット書店から本を買う方法はこれにておしまいおしまい。ちなみに、上の画像でカートに入っているものはダミーであって、購入していない。『台湾宗教論集』はそのうち買うけど。
 新入会員の画面は、当然ながら途中で止めているので、これ以外にも手続きがあるかも知れない。また全般に、この記事の通りにやって失敗しても、一切の責任は負わないので念のため。

2009/12/14

台湾首廟天壇(二) 府城三大名扁の「一」

天壇「一」
 今さらのように載せてみる。天壇の扁額「一」である。
 府城三大名扁は、府城隍廟の「爾来了」、これ、そして竹渓寺の「了然世界」とされる。竹渓寺は市街から離れている上に、扁額以外の見所に乏しいのでまだ未見(ネットや本では見てるが)。数え方によっては加わる「大丈夫」はこちら

 なお、この扁額は単に一字が書かれているのではなく、周囲に小さな字で長文が記されている。道義を守って生きろとか、そんな感じの警世の句が書かれているそうな。

天壇
 天壇は台南市内における四大祈祷所でもあるらしい。すなわち、生まれる前の臨水夫人媽廟、生きている時の天壇・開基玉皇宮、死後の東嶽殿だそうな。
 五月に訪ねた時は、正殿をちらっと覗いただけだったが、実は結構広い。その内容をどう紹介したものか、まだ悩んでいるところ。

 なお、天壇訪問日は8月12日。ちょうど参拝時にスコールがあった。まだ断水が続いていたこともあり、「これでまた復旧が遠のくのでは」と不安になる一瞬だった。ほんの二十分足らずの雨だったが。
 13日以降は全く雨は降らなかった。台風一過で、これ以上ないぐらい天候には恵まれたのである。

2009/12/09

玉旨金聖宮

玉旨金聖宮
 衛民街にあった。外観で想像つくと思うが、由緒は不明だ。まさか『西遊記』とは関係なかろう。

玉旨金聖宮
 祭神も全く分からない。何も説明がないので。
 ただ、手前の像のかぶり物に「佛」の字が見える。もしかして三蔵法師でござるか?

普済宮の門神画

普済宮の門神画
 普済宮の門扉にも、例によって秦叔宝と尉遅恭韋駄と伽藍が描かれている。
 ただし、どちらも劣化が激しい。小さな廟とはいえ、庇はちゃんとあるから、風雨に晒されてるって感じでもないのだが。
 まぁかつては風雨に晒されていたのかも知れない。で、色だけ後で塗り直したようだ。

普済宮の門神画
 こちらは伽藍神。
 蔡草如作の可能性があるが、ちょっと分からない。

普済宮の門神画
 外側の扉は二十四節気の神が描かれる。

普済宮の門神画
 「風調雨順」を絵に描いたわけだ。なかなかこの扉は楽しい。

2009/12/07

普済宮

普済宮
 府城隍廟東側の武徳街を歩き、「バック」より少し北に駐車場が広がる。その駐車場の奥に何やら廟らしきものがあったので訪ねてみた。
 とりあえず、普済宮とある。もちろんガイドの類には載っていない(普済殿とも紛らわしい)。

普濟宮
 本当に小さい廟宇である。
 そばに台南市がたてた案内板があり、それによると清の乾隆43年(1778)に創建されたものの、都市の発展に伴って壊されてしまい、この地に再建されたのが民国55年だという。

普濟宮
 中ももちろん狭い。
 池・朱・李千歳を祀るそうだ。

 ……と、ここまでならどうということのない廟宇であるが、ここは意外な掘り出し物であった。

普済宮
普済宮
 廟内の左右に描かれた「降龍」「伏虎」の絵。まぁ廟内に龍虎の絵が描かれるのは珍しくないが、小さい廟にしてはずいぶんイイ絵だなと思ったら、なんと蔡草如の作品だった。
 ここは門神画もかなり良い。できれば別の記事で紹介しようと思う。

 なお、この宮についてはここのブログで大変詳しく紹介しているので御覧くだされ。日本統治時代の資料(日本語)まであげてあるのには驚いた。