2009/05/13

嘉南大圳組合事務所


 何ともモダニズム。

 嘉南が穀倉地帯に変貌する過程に、日本人技術者の大きな尽力があったことは歴史的事実である。ただし、台湾の現地人と分け隔てなく交わった彼を本気で称賛したいのなら、日本だけを讃えるような文脈で語ることは厳に慎むべきであろう。
 八田與一は優れた事業を行った人格者だから素晴らしいのであって、たかが日本生まれというだけで讃えられる謂れはない。それをまるで自分(日本人)の功績であるかのように語る人間は、彼と並べて語られるに値するだろうか。「八田は偉かったがお前は偉くない」、そんな恥を晒しているだけではなかろうか。

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