記憶が鮮明なうちに執筆中の2010.5旅行概略。とうとう最終回である。
予定通りに起床。時刻は4:50だ。ギリギリまで寝ていたいので、30分でタクシーに乗れるよう、準備は前日に済ませてある。hashiの化粧は、間に合わなければ車内ですればいいやという感じである(どうせ化粧してもすぐに真っ黒に汚れる)。
ホテルはチェックアウトせず、荷物は部屋に置いていく。従ってホテルには12:00までに戻ることになるが、そもそも今日は最終日なので、13時過ぎには高鐵嘉義から新幹線に乗るのだ。タクシー代がかさむ以外は何の問題もない。
嘉義のホテルから北港朝天宮までは30分弱で505元。行きと帰りで経路が違ったにも関わらず、全く同額だった(5元オマケだったのも同じ)。
バスはもちろん安いが50分近くかかるし、そもそも朝5時には運行されていない。日本ではあり得ないほどタクシー代が安い台湾で、空港と関係なく500元分も乗るのはかなりのことだが、1500円で時間を有効活用できるのだから、どんどん乗るべきだな。
日の出前の朝天宮は、門前はひっそりとしていたが、中は既に式典の準備が整っている。豚と山羊が飾られ、左右には来賓席も設けられていて、先日とは全く違う雰囲気だ。
来賓の意味が分からないのか、どっかと座ってカメラを構えている西洋人の夫婦と、傍若無人に写真を撮りまくる中年の男女(夫婦かどうかは知らん)、そして我々などは、この場においてイレギュラーな存在だろう。だが朝天宮の関係者は、気にする風もなかった。
おそらく毎年、カメラ中高年(ちなみに我々は「中年」ではないつもりだっ!)は一定数いるだろう。そして、そもそも撮影に対する拒否反応がないのだろう。
朝6:00から始まったのは、媽祖の生誕を祝う式典である。どこまで近くで見れるだろう……と思ったら、中で撮れと合図された。線香を持った人は拒絶で、カメラの人はウェルカムだった。まぁ線香持った人は間違いなく式典の障害になるので仕方ないのだが(式典が終わるまで、中央の祭壇での拝拝はできない)。
式典は、一人の女性が何度も媽祖を拝んでは戻るという、わりと単調なものだった。上の写真にも見えるこの女性は曾蔡美佐。国民党員だ。県長ではなかったので訂正する。すまぬ。
県長じゃないとすると、あんまり値打ちがないなぁ。
音楽が奏でられながら行われた式典が一時間で終了すると、朝天宮は一気に喧噪に包まれる。拝拝の人々がなだれ込むだけではない。門前では各地の進香団が、式典が終わるのを待っていたのだ。
この日の進香団は、数日前の比ではない多さ。門前の道は進香団渋滞が起きている。一つひとつが百人を超える大所帯で、しかも門前でやることやって中に入るから、なかなか進まないわけだ。
爆竹もパワーアップ。箱単位の爆竹、ロケット花火に加えて、空砲の轟音だ。正直言って恐怖を感じるほどの凄さである。
童乩の舞、獅子舞、そして隈取りした子どもの舞と、見所も多い。暴力的なパワーを感じる進香の様子は、たぶんyoutubeにいっぱい上がっているけれど、リアルに体験しないと伝わらないだろうなぁ。
そうこうしているうちに8:00を過ぎた。進香団は引きも切らないので、とりあえず飯にしようとぶらつく。そして老等油飯を発見。店というか屋台以外の何者でもないが、確か「食尚玩家」で紹介されていた。
頼んだのは油飯、麺線糊など。周りの客がみんな両方頼んでいたので、郷にいればの精神で頼んでみた。油飯は檄ウマ。麺線糊は、まさしくそうめんをとろとろになるまで煮込んだもので、いかにも朝食という感じだ。胃に優しいので、一緒に頼むのが正解だ。
それにしても、席で食べる人以上に、外帯(テイクアウト)が多い。狭い街頭で手際よく何人分も詰めていく老板娘に感心しながら最後の朝食を食べた。
北港でのタイムリミットは10:00過ぎ。見るべきものが多すぎて、結局10:20ぐらいまで街をうろうろして、タクシーを探す。
数日前の夜は嘉義客運バスターミナル方面で見かけたので、そちらへ向かったらあっさり発見。「嘉義中山路」と、ホテル名を書いたメモを見せて乗り込んだ。
するとなぜかタクシーは、反対方向にのろのろ運転。なんのことはない、嘉義まで行きたくないので他のタクシーまで連れて行かれたのだった。午後に用事でもあったんだろうか。
まぁ我々には実害がないので構わないけど、500元を蹴るとは勿体ないことをするなぁ、と思ったわけである。
皇爵大飯店には何事もなく到着して、部屋の鍵を受け取る。
ちなみに出かける際に、チェックアウトではないとはっきり伝えてあったし、あっさり鍵を渡したのだからフロントも分かっていたはずだ。
が、なんと部屋のドアが開いている! 中に入ったら、ベッドメイクされている! チェックアウトされてない部屋をベッドメイクしてどうするんだ!
そもそも荷物を置きっぱなしなのだ。幸い、目に見える形で荷物が減ったりはしていなかった(パソコンの中身を覗かれたかは不明)。とはいえ、ちょっとこの対応は信じがたい。
フロントの人はわりと親切で好感度も高かったのだが、このホテルはもう利用しないだろう(部屋の隅がけっこう汚れていたりするし、メンテナンス全般に難があるようだ)。
動揺したものの時間がない我々は、急いでシャワーを浴びて荷造りして、11:30にチェックアウト。
そこから巨大な荷物を背負ったまま噴水まで歩き、さらに少し歩いて郭家雞肉飯へ(たぶんホテルから10分程度)。昨夜の晩飯の後に、慌ててネットで調べた店だ。ブログでの評判が良くて徒歩圏内のここが、台湾最後の食事先となった。
そして、郭家雞肉飯は大当たりだった。雞肉飯は噴水雞肉飯のように油っぽさがなく、こちらの方が上だ。一緒に頼んだ魯肉飯(雞肉)や糯米大腸もうまい。場所も分かりやすいし、嘉義駅から歩いても15分ぐらい。オススメだ。
食べ終わって、向かいの客中歇というスタンドで珍珠奶茶を買って、噴水前でタクシーをつかまえて高鐵嘉義へ。予定より一本前の新幹線に無事に乗車し、空港では暇をもてあますほど時間があった。
なお珍珠奶茶は、空港までの飲料を確保するつもりで買ったのだが、タクシー内でhashiにガブガブ飲まれてしまい、高鐵嘉義駅までに無くなってしまったゾ(うまかったけどさ)。その後に買った無糖の烏龍茶は長持ちしたわけで、暑い台湾では糖分が大事だと実感した。
空港ではいつも本屋を覗く程度。今回は何かないかなーと眺めたら、なんと『食尚玩家』の台南特集「台南玩味」を発見。もちろん購入した。
この台南特集は、伝統と現代という感じの内容で、非常に良い。『小西門』の作者の人も登場している。そもそも、あの本が特集させたんじゃないか、という気もする。『小西門』ともどもオススメである。
帰りのキャセイパシフィック航空564便は、良く揺れた。機内食が離陸後一時間以上配られなかったほどだ。
ところが、スペシャルミールを頼んでしまった我々の分だけは、早々に運ばれてきた。周囲ににおいだけまき散らしながら、しかもすごい揺れのなかで食べることになった。
なお、この便の座席は事前にオンラインチェックインで指定した席とは違っていた。というか、機体そのものが違っていたので、同じ席になるわけがない。これって事前に分からなかったのかねぇ。「事前」ったって二日前なわけで。
まぁともかく、台北・北港・台南の神々の加護もあって、無事に日本に帰国した。今回は空港で食事もせず、まっすぐ帰宅。我が家に戻ったのは22:30であった。
※以上で全日程のおおざっぱな紹介は終了。とんでもない日程であったことはお分かりいただけたと思う。
5日目後半でも書いたように、個別の記事を早く書いてほしいというリクエストがあれば、できるだけ応えるはず(他人事のように言ってみる)。写真も出し惜しみしているので、知りたいことがあれば遠慮なくどうぞ。
ただし媽祖関係は、抜き出して紹介するのが難しいので、たぶん順番通りとせざるを得ない。いずれにせよ、この記事の内容は順番通りならば数ヶ月先に掲載される。気の遠くなるような話だなぁ(とりあえず今は現実逃避しておきたい)。
※最終回を記念して、ランキングのバナーも大きく張ってみる。
ここまでおつき合いいただいた読者の方には、是非一度バナーを押していただきたく存じ候(まぁ気が向けばどうぞ)。
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