2010/09/21
朝興宮・保和宮(前編) 台南の知られざる驚異
大天后宮を後にした我々は、新美街を南下して民生路まで下り、民生路と永福路の交差点近くの阿良水果店でフルーツを食べた。
とりあえず我々が向かおうとしていたのは、鄭氏家廟だった。正直言ってそれほど興味はないけれど、過去の旅では抜け落ちていたので、一度拝んでおこうと思ったのだ。
ところがこの日、せっかく日本から持参した地図をホテルに忘れてしまうという大失態を犯していた。なので非常にアバウトに「この辺のエリアだよなぁ」と探すことになった。
まぁ台南はずいぶん歩いたし、こういうブログも書いてるから、(自分でいうのも何だが)旅行者としては異常なほどに地理には詳しい。どうにかなるだろう、と思ったら散々に迷ったわけである。
で、まずは民生路を歩く。すると上の写真のような路地が現れた。非常に雰囲気のある路地であった。
むむ、これはクサイと突撃してみたわけだ。
すると廟があった。
いや、台南を歩いて廟が見つかるのは、日本の道路でジュースの自販機が見つかるようなものであって、何ら珍しくはない。ないのだが………。
な、なんじゃこりゃーと叫ばずにはいられない階段だ。
念のために言っておくが、ここは閑静な住宅地の路地の一番奥である。ここ自体も非常に狭い敷地なのだ。それなのにこの階段だ。
もう一枚。
この衝撃は実際に見ないと分からないだろう。あまりの非日常に、厚かましいderorenですら一瞬だけ躊躇してしまったほどだ。
たぶん高所恐怖症の人はダメだと思うゾ。
登ってみたら、ビルの三階部分にこうして廟が建っている。
冷静に考えてみれば、山の上の堂宇を参拝するために石段を登るという、ありがちなシチュエーションを体験したに過ぎない。しかしここに山はない。山ではないからこそ、高さという非日常の演出が、剥き出しの状態で現れてしまっているのだ。台南恐るべし。
まぁ恐らくは、集会所などのスペースも必要だったので、廟を天井に上げてしまったのだと思う。神農街の端の薬王廟や、普済街の善徳堂と似ているといえば似ている。
ただし薬王廟は一階と三階が廟だから、それほど違和感はない。また善徳堂の廟は二階なので、これも思ったほどの驚きはない。
ここは何というか、民家に混じって出雲大社が建っているようなものだ。
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