2010/09/09
萬福庵(三) 阮夫人堂
二階の拝観を終えて外を見ると、隣のビルに通路が延びている。
そして隣のビルは、このように無理矢理に色を塗って廟としてある。台湾の廟は雰囲気で人を騙すのではなく、どこまでも実用本位だ……と、唐突に日本の寺社を挑発してみる。
ただのコンクリートの箱を、そこまでポジティブに捉えようとするのも、日本的な発想なのかも知れない。要するに、何も書くことがなかっただけである。
阮夫人堂は、萬福庵前照牆の記事で触れたように、鄭成功に伴って台湾に渡った烈女を祀る。廟の前身が彼女の屋敷であったこと、かつての名が阮夫人寺であったことも先に触れた。
画面ではほぼ読み取れないと思うが、中央の位牌が阮夫人。その当時のものと言われており、もしそうなら17世紀だから、台湾屈指の古さである。
それにしても、ガランとした部屋に位牌だけというのは、けっこう怖い。あまり長居はできなかったゾ(長居しようがないという説もある)。
これは2009年の写真。忠義路側にこのように入口が示されていた。ちゃんと狙って撮ったにも関わらず、今回見返すまで完全に忘れていたのは内緒だ。
まぁともかく、これぞ台南という感じのごった煮状態が素晴らしい廟。赤嵌楼から徒歩3分という恵まれた立地にありながら、全く観光客は来ない。まさに知られざる別天地である(冷静に考えれば、一般観光客が魅力を感じるかは疑問だけどね)。
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