2012/04/27

南鯤鯓代天府(五) ただいま制作中

南鯤鯓代天府
 新興宗教が、教団の勢いを示すために箱モノを建てまくる。それは世の東西を問わず普遍的な現象である。というか、それは国家であれ企業であれ、王を抱く組織ならば普遍的というべきだろう。
 まぁそこまで普遍化すると話が進まないので、台湾の宗教施設に限ったとしても、以前に訪問した士城聖母廟鹿耳門天后宮北港朝天宮などを挙げることができる。この三つは媽祖廟で、南鯤鯓代天府は王爺廟という違いはあるけど、いずれも海に関わりの深い神。そして、その海は漠然としたものではなく、「両岸」関係のただ中にある海だ。

 とはいえ、媽祖廟と王爺廟はやっぱり違うのかなぁ…と思ったのも事実。この上の写真、一見すると立派な建物だがまだ未完成。絶賛寄付金受付中である。

南鯤鯓代天府
 その建設中エリアにある龍泉井。説明によれば、1817年に移転した際、ここには飲み水がなかった。そこで五府千歳が泉を噴出させ、人々は井戸を造って利用したとある。
 まぁいかにもありそうな話。

南鯤鯓代天府
 奥まった一角には、こんな苑地もある。
 ちなみに、中央の楼閣は建設中エリアなので、遠くから眺めるだけ。

 ナンヨウスギなどが目立つ庭園は、実際に見ると手入れが行き届いていない。ちなみに、白い枯枝が目立つのは、カリステモンの一種(日本でいうブラシノキの仲間)。

南鯤鯓代天府
 石組もあって、金はかかってそう。現状は、置いてるだけだが。

南鯤鯓代天府
 こんな展望台もあった。隣の建物も高いので、登っても池の方向しか見えないと思われる。いろいろな面で詰めが甘い。

南鯤鯓代天府
 これはまた別のエリアに立つ慶成閣。「戊申三百年醮」で建てたと案内板にあった。
 この廟の造られた1668年が戊申年なので、それから三百年という記念らしい。北方建築なのは、国民党政権下なので当然なのだろう。

南鯤鯓代天府
 最後は廟の横手の山に聳える宮殿群。凌霄寶殿と呼ぶらしいが、まだ未完成。寄付金をつのるパンフレットがあった。完成時には玉皇上帝を祀る予定だそうな。
 そのパンフレットで面白いのは、藻井や神龕は、寄付金ではなく現物納入を求めている点。参考価格が一緒に載っているので、これがいくらで造れるのか分かる。たとえば正殿の藻井は3800万元、正殿の神龕も3800万元。日本円に換算して1億500万円ほどだ。
 まぁderorenには縁のない話ですな。


 南鯤鯓代天府の記事は残り一つ。それとは別に、見学した進香団の記事も書くけど、そちらは後回しになる予定。
 代天府に関心をもてない読者は、あと一回の辛抱だネ。

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