2012/04/02

美国学校囲牆残址(Wainwright High School)

美國學校圍牆殘址(Wainwright High School)
 成功大学の次は、超超超マニアックな古蹟の登場だ。そもそもここは古蹟と呼べるのだろうか、そんな疑問もあるくらいだが。
 コンクリートの円柱。煉瓦のすき間から木々が枝をのばす。これは廃墟だ。

美國學校圍牆殘址(Wainwright High School)
 ここは開元路と長栄路の交差点付近。広大な空き地だから、見つけるのは簡単だが、興味をもつのは難しい。
 現在残っているのは、写真のようなコンクリートの塀のみだ。

美國學校圍牆殘址(Wainwright High School)
 一番よく残っている部分に、案内板がある。

 ここは国民党政権時代、アメリカ軍の軍人子女の教育を目的に設立された学校の跡地である。1960年代に誕生し、1970年代に廃止された。廃止の理由は言うまでもなく、アメリカとの国交断絶による。
 従って、ここに学校が存在したのはわずか10数年に過ぎない。にも関わらず、とてつもなく広大な敷地である。アメリカと国民党政権の関係を象徴するかのようだ。

美國學校圍牆殘址(Wainwright High School)
 内部は一応、公園として整備されている。開元公園の一部みたいな扱いだろうか。

 ここにあった学校は、Wainwright High Schoolという名前だった。Wainwrightとはジョナサン・ウェインライトで、日本とは深い縁のある人物である。
 ウェインライトは第二次世界大戦において、フィリピン駐留のアメリカ軍を指揮していた。そのアメリカ軍は日本軍の攻撃を受け、全滅寸前に陥る。ウェインライトは、アメリカ人兵士を一人でも多く生かすために、日本軍に降伏した。
 降服した彼は捕虜となって満州に送られたが、やがてソ連軍によって解放される。そしてアメリカ帰国後、英雄として表彰された。

美國學校圍牆殘址(Wainwright High School)
 本当に何も残っていない。当然、直射日光に晒されて、とんでもなく暑い。

 まぁこんな場所をわざわざ訪れる旅行者など、まずいない。ここは交通量も多いし、とある事情により台湾のブロガーが複数訪れているにも関わらず、紹介している人はごくわずかである。
 我々は、開元寺に向かう途中にここを通りがかった。ここから開元寺までは、徒歩10分もかからない距離だ……が、それならば赤子連れだし大学からタクシーに乗ればいい話。
 歩いた理由は、開元路を挟んだ向い側に、ちょっと有名な小吃店があったためである。そちらの紹介は次の記事で。

0 コメント:

コメントを投稿