2010/07/14
北港朝天宮の出巡遶境行列(一) 北港老塗獅
2010年5月3日は、農暦で3月20日。媽祖の生誕の日が23日だから、三日前ということになる。台湾各地の媽祖廟では、小さな廟の神が大きな廟を詣でる「進香」などで忙しい時期だ。
そしてこの頃に、「出巡遶境」も行われる。要するに媽祖たちが町内を練り歩くのだ。
北港朝天宮の出巡遶境は二日間、昼と夜に行われる。これは台湾でも最大級の行列なので、無理をしてでも見学したいと、我々は駆けつけたわけである。
そのために台北から新幹線とバスを乗り継ぎ、北港鎮に立ち寄った。その日の夜にはバスで嘉義に向かい、台鐵で台南まで移動して宿泊するという日程である。
プラン自体はそれほど難しくはないが、荷物を預ける場所がないのが辛い(高鐵嘉義駅には荷物預りの施設が全くない)。しょうがないので、最大のネックとなるhashiのゴロゴロには、衣類のみを詰めて、残りはすべてderorenのザックへ移した。
登山用ザックは、重くとも機動力が確保出来る。その代わり、背負い慣れてない人にはきついけどね(一応derorenは登山経験者だったりする)。
話がそれてしまった。
ともかく北港朝天宮に着いた我々だったが、出巡遶境の行列は町内を巡っているので、その時点では影も形もなかった。
なので進香団の様子を見学したり(進香の記事は別に特集を組むぞ)、廟宇を巡ったり、はたまたやかましい芝居を眺めたりしていたら、やがて芝居に匹敵するほどやかましい音が響いて来た。その音こそ、出巡遶境の行列なのである。
そんなわけで、ここからは出巡遶境の様子を紹介していく。我々が見た順番なので、行列の先頭からではない。朝天宮のホームページに順序などは載っていたけど、そもそも行列はばらけていて、いつ終わったのかすら定かではなかった。
上の写真は我々が最初に見た団体だ。見るからに達磨だ。中央には獅子がいて、武器を持った子どもも乗っている。
今回の旅ではすごいものを沢山見たので、今になってこれを見直してみると、たいしたインパクトはない。しかし当時は何せ初めて見たので、やはり興奮した。生で見ると、いろんな意味で面白いのだ(何人かでツッコミながら見るべきだ)。
※なお、祭礼に加わっている人については、神に準ずる扱いとする。要するに、モザイクは入れない。
武器を持って舞う少年たち。これは宋江陣であろうと思われる。
宋江陣とは、『水滸伝』の宋江に由来するものらしい。『台湾宗教之美 迎媽祖』では、鄭成功が屯田みたいな政策をとったことも関係するようなことが説明されている。要するに普段は農民でも、いざという時には農具を武器にして戦おうという、「いざ鎌倉」的な発想のようだ。
この写真には普通の武器が写っているが、上の達磨と一緒の写真には、斧や鍬っぽい武器が見える。
グラサンが目立つ獅陣。
写真でも分かるだろうが、舞っているのではなく、ただ背負って歩いているだけだ。
考えてみれば当たり前だが、獅子舞ったって延々数kmにわたって舞うわけはない。特定のポイントで舞い、あとはこんな感じで練り歩くのだ。
ちなみに、一番上の写真の達磨も、恐らく特定のポイントでは車を降りて歩いていたはずだ。
最後に鳴り物の車が通る。小さいながらも楽団の生演奏が行われるのはいいが、とにかく大音量でやかましい。けど、慣れるとちょっと心地よかったりもする。
なお、この車の造りもすごい。というか、行列で見た車輌には、日本なら絶対に車検を通らないものがいっぱいある。その辺は(二)以降でもどんどん紹介するぞ。
※「北港老塗獅」とは団体名。出巡遶境行列は、朝天宮に奉仕するそれぞれの団体が行列を仕立てている。この団体は獅子と達磨を奉ずる団体のようだった。
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