2010/06/28
龍山寺の本棚
台湾の寺廟には、しばしばこのような書物の置かれたコーナーがある。
日本の寺社にもあるって?
日本では基本的にお金と引き換えだが、台湾ではそうではない。これらの書物はすべて無料でもらえる。寄付によって作られているのである。
ちなみに、こうして置かれている書物は、龍山寺がどんな宗派に属すかといった問題とはあまり関係がないようだ。城隍廟の類でも龍山寺でも、共通の本を見かける。もちろん龍山寺は最大規模なので、他にはない書物も多いけど。
台南の開元寺や法華寺、西華堂などでは見かけないので、戒律を守るような仏教寺院には置かれないのだろう。龍山寺は観音を本尊とするとはいえ、台湾においては移民の祀る神だから、仏教寺院の枠には入らないということだろうか。
手前の『瀕死体験』は、とあるルートで入手していた。とあるルート関連の方(笑)には、こうやって配布されているのだと知ってほしい。
仏教の経典類では薬師経、地蔵経、父母恩重経などが目立つ。どれも台湾の民間信仰と密接に絡むものである。道教系の経典も多いし、福徳正神などどこで作られたのかよく分からない経典もある。
こうした書物は時には「○○さんの寄進で200冊」みたいな感じで印刷され、方々に配布される。奥付には寄進者の名前がシールで貼られていたりするのだ。
もちろん、このような配布を無条件に肯定することはできない。なぜなら、これらは無料である代わりに、作り手の思想信条を広める意図があるからだ(しかも間違いなく保守的で、国民党寄りだ)。
ここからいくつか持ち帰ってみたものは、ほぼすべて特定の教団の宣伝冊子だった。通販の体験談みたいなのがギッシリだ。玉石混淆というか、石でも混じっていれば御の字の、紙くずの山なのかも知れない。
……というか、龍山寺は他と比較しても圧倒的に紙くずが多いと思う。
方々で見かけるような冊子は、経典にボポモフォを振ったようなものとか、わりとまともなのも多い。参拝者が際立って多いから、いろんな新興宗教がチャンスを狙っているのかも。
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