2010/08/17

北港朝天宮の藝閣(二) あめ玉パニック!

北港朝天宮の藝閣
 婦人会の皆さんがちょっとだけ花を添えて、藝閣行列はまだまだこれからだ。
 この先はとても一つずつ紹介できないので、雰囲気を味わっておくれやす。

北港朝天宮の藝閣
 手前の人々が、手を合わせて拝んでいるように見えるだろう。拝んでいるには違いないが、別に子ども神の神々しさに涙しているわけではなく、あめ玉をせがんでいるのだ。
 これは日本でも珍しくない光景だ。そして日本でもそうなるように、ここも阿鼻叫喚の坩堝と化すのである。

北港朝天宮の藝閣
 左端に、文字の書かれたシャツの人がいる。
 実はこの人たちは、ちょうど進香にやってきた廟の関係者だ。こんなパニック状態のなかでも、進香団は次々とやって来る。そして門前で派手に爆竹を鳴らし、神輿が暴れ回るのだ。

 我々はどちらも見たいので、進香団寄りに移動せざるを得ない。進香団の乩童の演舞なんかは、近くに寄らないと見えないけれど、藝閣は遠くからでも大丈夫。その代わり、それぞれの藝閣がどこの何かはほとんど分からない。よほど特徴的なものを除けば、だが。

北港朝天宮の藝閣
 雨傘男参上。近くには雨傘ババァもいた。
 ほとんどカメラを構えっぱなしだった我々ですら、10個ぐらいは手に入れた。黙って立っているだけで、十分に収穫できると思うのだが、いずこの人間も欲深いものである。
 その昔、同級生の家の新築祝いに呼ばれて行ったら、餅まきの瞬間にどこからともなくオバチャンらがやってきて、思いっきりヒップアタックで押し出された忌まわしい記憶が蘇った。あの時のderorenは、うまくもない餅になぜそこまで必死になるのか理解出来ず呆然と立ち尽くしていた。あの時キミは若かった。

北港朝天宮の藝閣
 なんか藝閣はどうでもよくなってしまった。実はリアルに見ている時も、だんだんそんな気分になっていったのだ。
 なぜかって?
 どんな派手で非日常な景色も、いつまでも続けば日常と化すのだ。あー今度はオクトパス・ガーデンやいるかに乗った少年なのね、という感じでぼんやり通り過ぎていくのだ。

北港朝天宮の藝閣
 また白馬。NSP「遠野物語」って感じで喜びも苦しみも通り過ぎ行くのである(ネタが古い)。

北港朝天宮の藝閣
 祇園祭のように遠くから眺めるわけではないので、こんな感じだ。というか、この状況で時々バイクが走っている。死人が出ないのが不思議なほどだ(言うまでもなく台湾はバイク事故多発の国なんですよ~)。

北港朝天宮の藝閣
 群がる野獣たちの視線は、手に持つ籠に集中する。
 こういう大人たちを見て、北港の子は育つわけだ。

北港朝天宮の藝閣
 また馬だ。台湾の王子様も白馬に乗って来ることになっているのだろうか。

北港朝天宮の藝閣
 宙吊り度合いが激しい藝閣。
 しかし、ここまでやらないと人々の耳目を驚かすことは出来ないのか、とも思う。

北港朝天宮の藝閣
 これも同じ藝閣。
 ちなみに、写真でも分かるように男の子どもも乗っている。男でも白塗りに化粧しているので、中性的な魅力がある……とか書いたら、たちまち危ない人の仲間入りである。まるっきり稚児の系譜だし、そういう需要に支えられていたのは紛れもない事実のはずだけどね。

 そんなわけで(三)へ続く。
 アバウトな紹介なので、次で終わるかもう少し続くかは不明。ともあれ、最大の衝撃作はまだこの後である。チェキラッ!

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