2010/08/08

老受鴨肉飯(北港鎮)で鴨尽くし

老受鴨肉飯(北港鎮)
 まだ日本にいる時点で、この日の晩ご飯は北港で食べることに決めていた。しかし店を選ぼうにも、日本語のガイドには北港鎮そのものが載っていない。まして小吃店に至っては、日本語のブログすら期待出来ない状況であった。
 ただし、台湾の出版物ならば、定期的に取り上げられている。手元にあった雑誌『食尚玩家』でも、「全台小吃2009」や「老街小吃」などに北港鎮の店が載っていた。とりあえずそういうもので店をチェックして、あとは我々の行動範囲という条件で適当に選ぶことにした。

 5月3日の我々はびっくりするほど行動範囲が狭かった。朝天宮周辺以外では、徒歩5分程度の義民廟に行ったのと、朝天宮門前の道を散策したぐらい。最後にバスターミナルに向かった時が、一番移動距離が長かった(それでも10分足らず)。
 もっとも、北港朝天宮を拝拝して飯を食ってお土産を買うならば、門前の道だけで足りるのも事実である。小吃店もけっこう多いから、何も不自由は感じない。
 そんななかで我々が選んだのが、老受鴨肉飯である。百年老店という看板と、それなりに客がいて流行っていたのと、客席がドアの向こうに隔てられていた点が決め手となった。
 最後の理由がちょっと妙に思うかも知れない。しかし、この日の門前の道を歩いていれば、きっと同様の選択をするだろう。進香団や出巡遶境行列がひっきりなしの通りは非常に埃っぽいし、いつ爆竹が炸裂するか分からない。せめて飯だけは、きれいで安全な場所で食べたいのである。

老受鴨肉飯(北港鎮)
 店内は四人がけのテーブルがいくつかあって、それなりの広さ。我々も空いている席に座って、さっそく注文する。
 注文システムは、メニューの紙に注文数を書くだけなので、言葉が通じなくとも問題なし。テレビ取材も多い店のようだが、日本人は珍しいようで、パンフレットや絵はがきを持ってきてくれたぞ。

 上は看板メニューの鴨肉飯(大盛30元)。これを食べると故郷を思い出すので回郷飯ともいうらしい。
 鴨肉もうまいが、タレが良い。ガツガツ食える味だ。さすがに日本の故郷は思い出さないけどね。

老受鴨肉飯(北港鎮)
 鴨肉切盤(小30元)。ショウガと一緒に食べる。
 臭みもなく、あっさりした味でうまい。

老受鴨肉飯(北港鎮)
 鴨血糕(20元)。ボケボケで申し訳ない(自動焦点カメラはこういうのが苦手)。見ただけで想像がつくだろうが、モチモチQQな食感である。
 全く食べたことのない人のために断わっておくが、鴨の血で生臭いとか、そういうことは一切ないづら。

老受鴨肉飯(北港鎮)
 潡鴨湯(30元)。別名濃郁湯で、パンフレットによれば店内で二番目に人気らしい(一番は鴨肉飯と思われる)。
 同じくパンフによれば、ショウガ以外は何も薬味を加えず、鴨の本来の味を活かしたスープだそうだ。混ぜ物のスープを知らないので比較のしようはないが、このスープはすっきりした味でうまい。とろけるほどやわらかい鴨肉もいいねぇ。

老受鴨肉飯(北港鎮)
 最後は魯鴨翅(2支40元)。実は我々の間での一番人気はこれだった。とろける身がとにかく美味。あっという間に無くなったぞ。

 これだけ食べて150元(450円)。1908年に鴨肉料理を売り始めたのが起源という伝統の店だというが、古めかしい味という感じはない。
 我々の隣の席では、顔を真っ白に塗った女の子が、父親と鴨肉飯を食べていた。藝閣に乗る前の腹ごしらえである。この味なら子どもだって喜んで食うに違いない。
 もちろん毎日二人で上のメニューを食ったら、確実に太るけどね。

 ちなみに我々は午後5時前にこれを晩ご飯として食べ、以後はドリンクのみだった……といっても、暴飲暴食の旅に対する言い訳にしかならないわけである。


※なお、今後は飲食関係の記事を優先的に載せる予定。既に旅行から3ヵ月以上経過しているので、いろいろ変化する可能性の高い記事から片づけねばなるまい。
 このブログのメイン、台南のメシもかみんぐすーんだす。チャンネルはそのまま(棒読み)。

0 コメント:

コメントを投稿