2010/11/26
北港朝天宮 典礼開始前
2010年5月6日朝5時45分の北港朝天宮。
この日は媽祖の誕生日当日(農暦3月23日)であり、「天上聖母聖誕暨聖父母春祭典禮」という行事が行われる。媽祖祭礼の中心となる儀礼だ。
この典礼が午前6時開始のため、我々は前日の夜に嘉義入りし、すぐに出掛けられるようにした上で早寝。当日は午前5時前起床で、5時20分にはタクシーに乗った。嘉義からはタクシーで25分程度の500元。台湾で使った交通費としては安くないが、ケチって遅れたのでは意味がない。日本のタクシーを考えたら激安だし。
同時刻の門前。お土産の店はもう準備を始めているぞ。
連日のように大量の爆竹にやられている道も、今だけはきれいに掃除されている。朝7時には始まっちゃうけどね。
中では典礼の準備中。ただしギリギリまで一般参拝客が拝拝していた。この写真に見える人たちは、ほぼ全員が関係者だ。
なお、典礼の関係者及び列席者については、儀礼の場における公人ということで、モザイクなどの処理はしない。
で、もちろん読者の皆さんの注目は、中央手前のヤツに集まっていることだろう。
豚である。
これがまた、見事なまでに食肉用の豚だった。皮膚の部分に赤い印がいっぱい押してあるのが見えるだろう。我々はてっきり、何か儀礼に関係したものだと思っていたのだが、近づいてみたら食肉検査の合格印だった。うーむ。
我々はかつて、日本国内の某祭礼で豚を殺すシーンを見学したことがある。
それは祭礼として意味のある行為なので、「豚がかわいそうだ」とは思わない。この豚のおかげで我々の生活が護られるという論理なのだから、感謝はする。しかし「かわいそう」というのは、信仰を理解しない立場の戯言に過ぎないのだ。
とはいえ、断末魔の叫び声はいつまでも耳に残ったのも事実だ。なので合格印の豚を見て、正直言えばほっとしたのである。
来賓席。この写真の右側には、西洋から来たらしい老夫婦が、(恐らくは「来賓」の字が読めなかったのだろう)カメラを手にして座っていた。基本的にこの典礼は、カメラを持った人間にはやさしかった。
で、もちろん読者の目は別のところに向いているよね。
ヤギさんだ。
ちなみに典礼が終了すると、ヤギさんはすぐに持ち去られてしまい、豚だけが取り残された。なのでヤギを撮影したかったら、朝6時に来るしかない。それだけのために来てもしょうがないけどさ。
ともあれ、こうして典礼の準備は整った。
ギリギリまで一般参拝者が拝んでいたが、午前6時に祭壇中央部分はしめきられる。あくまでしめきったのは中央だけなので、典礼の間も拝拝の人は訪れていたが、媽祖像の前には行けなくなった。
ただしカメラを持った人は入れたのだ。普通のコンデジの人でもウェルカムだった(しきり役の判断で変わる可能性があるので、毎年そうとは言い切れない)。
二度と来れない可能性が高い儀礼である。撮ってもいいならめいっぱい撮ろう。そんなわけで次の記事からは、典礼特集の始まりだ。
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