限られた旅行の時間を書店巡りで費やすのはもったいないなぁ、という所から始まったネット書店の利用。幸い、台湾の書店のネット通販は、大手ならだいたい日本発送可能である。
もちろん、日本にも台湾書を扱う書店はある。それらの店の利点は、購入に際して日本語が通じること。その代わり品揃えは現地書店に全く及ばない上に、べらぼうに高い。まして某○方書店のように、日本の書店のネット通販で台湾書を買うとなれば、なんのメリットもないと断言して良い(かつての利用者として言っておく)。
ここでは台湾のネット書店の最大手、
博客來網路書店の利用法を紹介する。
博客來網路書店は、台湾の大企業、統一グループに属する。統一グループには台湾のセブンイレブンが含まれるので、注文したものをセブンイレブンで受け取ることも可能らしい。ただし、あくまで台湾国内の話である。
この書店が扱う品目は、台湾・大陸・日本などの書籍、DVD、CD、ホテル宿泊券、映画チケット、食品、生活用品、家電など非常に幅広い。ただし、食品や生活用品、家電などは海外発送不可となっている。台湾の書籍、アジア圏の音楽CDやドラマDVDなどが、主な購入対象となろう。
通販にあたっては、次のような手順を踏む。
1:会員になる……パスポートとクレジットカードが必要
2:通販サイトで商品を選ぶ……日本のネット通販と同様
3:商品の状態確認……台湾書籍か大陸書籍かなどによって、到着日数が大きく変わる
4:購入……海外からはカード払いのみ
このうち、ややこしいのは1と3である。
※2011.5追記
博客來サイトがリニューアルされたので、以下のキャプチャー画像とは異なっている可能性があります。
また書籍とDVDやCDでは、発送経路や送料が異なるかも知れません。購入手続きまでは一緒なので、特に問題はないでしょう。送料が書籍より高くなることもないでしょう(重量的に考えて)。
1:会員になる はっきり言って、これが出来れば八割方クリアーしたようなものだ。
まず、http://www.books.com.tw/を開く(当たり前だ)。
右上の「
加入會員」を押す。すると「
博客來網路書店-服務條款」という注意事項のページになるので、そこの「同意」ボタンを押す。すると下の画面になる。
会員張號(ID)、密嗎(パスワード)、メールアドレスを登録。ごく一般的な手続きである。ちなみにderorenはGmailのアドレスを登録している。
IDが他人とかぶってなければ、「下一歩」を押す。なお、画面の下の方に書いてあるのは、振り込め詐欺への注意である。
ここが登録のメイン画面である(データが滅茶苦茶なのは笑って流すように)。
注意すべき点としては、「非本国籍」を選んでパスポート番号を入れること、居住地で海外を選ぶこと。住所は購入時に改めて指定出来るので、ここでは日本で普通に書くように書けば良い。
「下一歩」を押せば、あとは分かるだろう。登録メールアドレスに「博客來會員認證信函」というメールが届いたら、そこに記された確認用ページを開いて、登録終了。「會員專區」画面となる。
※追記
氏名と住所は台湾の字体にしないと、伝票上で文字化けする可能性がある。(
こちらのオンライン変換サイト)で変換したものを使うべし。

上の画像はポチッと押すと拡大する。
画面左の「最新訊息」は書店からの情報。下の「個人功能」の最後の方にある「博客來訊息通知」ですべてを確認できる。なお、登録アドレスにも基本的に同じ内容が届くが、OCS(台湾→日本の輸送会社)の送り状番号はメールに記載されないので注意。
ついでに説明しておくと、購入品は博客來からOCSへ渡り、日本で税関を通った後に佐川急便に渡る。OCSが税関処理をした翌日に、佐川の兄ちゃんが荷物を届けることになるが、佐川の送り状番号は分からないのが難点といえば難点。
さて、左「個人功能」で通常確認すべきなのは「查詢訂購記錄」、要するに購入した商品の記録だ。ここを押して、日付指定画面は何も入れずに「查詢」ボタンを押せば半年分のデータが見れる。
あとは住所氏名などの訂正が「修改個人資料」、その下はパスワード変更だ。
で、上の画面で一番目立つのが「白金會員」であろう。右の「每月會員等級」で分かるように、購入額に応じてランクが上がるシステムである。で、プラチナ会員はダイヤモンド会員に次ぐ上から二番目のランクだ。
さらに、右下の「次次月等級預測」では、あと何回、いくら買えばランクが上がるのか書かれている。私の場合は、金額的にはダイヤモンド会員になれるが、あと三回購入手続きをしなければならない。
ただし、はっきり言ってランクが上がってもメリットはほとんどない。だいたい、一冊ずつ購入手続きをすればあっという間に回数なんて稼げるのだ(別々に処理しても、同一日の注文なら結局はまとめて届く)。
2:商品検索の注意事項 特にないが、字体の違いに気をつけよう。検索して結果が0だった場合は、入力した文字列に、台湾の字体と異なるものが含まれているのでは、と疑った方が良い。見当がつかなかったら、とりあえず文字列を削って短くしてみるか、検索したい文字列を(
オンライン変換サイト)で変換してみよう。
買いたい物は「放入購物車」ボタンを押せば、とりあえずカートに入る(もちろんこれは購入決定ではないので取り消し可能)。そのボタンの上に「庫存=4」などとあるのが在庫。数字は0でなければ気にする必要なし。「0」でもボタンを押せるヤツは、そのうち買えるが時間がかかる。ボタンを押せないものは品切。
3:在庫確認 また書籍の場合、「語言」という項目がある。
「繁體中文」とあれば基本的に台湾の出版社、「簡體中文」は大陸だが、これは単に字体の違いを示すだけではないので注意。
同じく「庫存=?」と在庫有り表示がされていても、その在庫がどこにあるのかという問題がある。「繁體中文」であれば手元にあるので、購入手続き後2~3日のうちには発送されるが、「簡體中文」は「海外庫存」、つまり大陸からの取り寄せとなる。下手すると二週間以上かかるぞ。
なので、購入時に「繁體中文」と「簡體中文」を同時注文することはオススメしない。「簡體中文」は、台湾にとっても所詮は外国書籍だということだろう(日本で買うより安いので、急がなければメリットはある)。
日本の書籍も売っているが、購入不可。日本書の翻訳版はもちろん買える。日本資本の雑誌(Taipei Walkerなど)も買える(ただし安い雑誌は二冊同時購入などの縛りがかかる場合あり)。
それと、値引き販売の国なので、その辺をうまく活かすべし。雑誌でも、バックナンバーを特売することがある。私は雑誌「食尚玩家」の3冊100元セールを利用した。
4:購入 画面右上の「購物車」を押すと、「放入購物車」ボタンでカートに入れた一覧が表示される。

上はクリックで大きくなるぞ。
この画面で大切なのは「庫存」表示。ここが「無」の場合は、購入手続きをしても在庫有りになるまで待たされる。また「預售」は海外の倉庫にあるので時間がかかる。
もしもこの状態で購入手続きをすれば、三度に分けて荷物が到着することになる。何度になろうが送料は変わらないので、受け取る手間が気にならなければそのまま手続きしても良い。
購入をちょっとやめようかなと思ったら「下次再買」を押す。「下次再買清單」に避けておき、たまにチェックして「有」になったら購入することも出来る。
で、いよいよ購入だ。
画面右下の「海外」ボタンを押そう。

まず一番上の選択肢は「信用卡線上刷卡一次付清」、つまりカード払いを選択。ATMは台湾国内でしか選択出来ない。
上の画像の「OK」マークは、選択すると出てくる。
次に住所を記入する。ここはきちんと書かないと届かない。が、日本と台湾では住居表示の制度が違うので、そのまま書くわけにはいかないのだ。私は上の画面のように書いている。つまり、こうである(例が不穏当なのは気にするな)。
地址:町名・字など(例:地獄3丁目2-666 ダミアン京都1302)
城市:都道府県名(例:霊能県)
州/省/區:市町村(例:悪霊郡巫覡町)
郵遞區號:(例:666-1313)
國家:JAPAN
これは決して台湾的には正しくないが、ラベルに表示される際に最も穏当ではないかと思われる順序だと思う。実際、問題なく届いている。
ここまで書いたら、あとは「下一歩」を押して進めていくべし。金額を確認すると、送料の高さにびっくりするだろうが、これでも日本で買う半値以下なのだ。
最後にクレジットカードの認証があるけれど、まぁこれはどこの国でも同じなので割愛する。無事に購入手続きが完了すれば、登録アドレスにメールが届く。また「查詢訂購記錄」に記録が残る。
「查詢訂購記錄」(上で触れた場所)では、本が今どういう状況なのかも確認出来る。「調貨中」などを経て「出貨中」となり、「已出貨」となれば業者に引き渡されたことになる。
在庫有りの書籍であれば、2~3日で「出貨中」になり、翌日には「已出貨」となるだろう。
5:到着まで
出貨された書籍は
OCSという輸入業者に渡され、航空便で日本へ送られ税関を通過する。その際に10000円を超えていると、税を徴収される。また検査のため開封されることがあるようだ。
※2011.5に注文した書籍は、OCSではなくFedExに依託されていた。いずれにせよ税関を通って運ばれることは同じ。送り状番号はメールに載っている。
DHLに依託される場合もある。FedExより一日余計にかかる模様。
税関を通った書籍は佐川急便に手渡される(※輸入業者によって異なる)。なおOCSについては「博客來訊息通知」の「出貨通知」に送り状番号があるので、そちらで状況を確認可能。日本の税関を経て引き渡されたと表示があれば、その翌日には家に届くだろう(都道府県によって違う?)。
佐川の番号は分からない。また、受け取り時に税を徴収される可能性がある。受取は印鑑ではなく、カタカナのサインである。
受け取ったら中身を確認しよう。残念ながら、某密林のように丁寧な包装にはなっていないので、たまに表紙に傷がついていることもある。返品が可能かどうかは知らない(個人的には、安く買えるんだからどうでもいい)。
べらぼうに長い記事となったが、台湾のネット書店から本を買う方法はこれにておしまいおしまい。ちなみに、上の画像でカートに入っているものはダミーであって、購入していない。『台湾宗教論集』はそのうち買うけど。
新入会員の画面は、当然ながら途中で止めているので、これ以外にも手続きがあるかも知れない。また全般に、
この記事の通りにやって失敗しても、一切の責任は負わないので念のため。