龍山寺から歩いて2~3分、観光客が山ほど行き交う広州街から間近な場所だが、全くといっていいほど気付く人のいない門がある。
何を隠そう、我々もここは2009年に一度通っている。もちろんその存在は知らなかったので、改めて訪問することになった。
というか、この写真を見ても「何も写ってないじゃないか」と思う人の方が多いのではなかろうか。
しかし、反対側に立てば明らかに門であり、廟である。
これは隘門と呼ばれ、清の時代の艋舺の街の名残りの古蹟なのだ。
門の上には土地公が祀られる。土地公の塞の神としての性格を考えれば、なるほどという感じだ。
隘門はいわゆる城に設けられる門とは違い、町が自衛のために造るものらしい。
かつて、この門の南は龍山寺池と湿地であり、まさにここは艋舺の南の口であった。そこに住み着いた三邑人は、他の移民と紛争を繰り返している。そこで、このような門で町を守らねばならなかった。
外敵の攻撃を受けた時にはここが閉じられ、迷路のような街に人々が埋伏して戦ったらしい。日本の城下町でも迷路のような路地はあるけれど、一般人が武装して戦う世界というのは、あまりに殺伐としすぎだよなぁ。
※台湾映画『モンガに散る(艋舺/Monga)』の舞台となったので、観光客も増えるかな?
土地公。
虎爺もいる。
近くには、病気の猫が何匹か集まっている。正直言って、清潔感のある場所ではない。無理に登らずに、ただ下をくぐって眺めるぐらいが無難かも。
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