食い物の方がアクセスはのびるだろうけど、食い物は余所でいくらでも読めるので後回し。
台南は無知のまま旅行すべき地ではない。なのに日本語のガイドブックが頼りにならない以上、少しでも知っている者が情報を提供するつもり。
自分よりもっと調べて書ける人がいて、もう無理に書かなくてもいいかな、と思える状況になれば理想的だ。この記事を読んだ画面の前のキミ! オラに代わって台南の魅力を伝えてくれ。
まぁふざけるのはこれぐらいにして、寅年特集の続きだ。
こちらは恐らくは虎爺と呼ばれない者たち。しばしば寺院の門の向かって左(本尊から見ての右側)に虎、反対には龍が描かれる。それぞれ「虎嘯」「龍吟」だ。張衡『歸田賦』の一節「爾乃龍吟方澤 虎嘯山丘」が元だという。
もちろん描かれた虎と龍は門神という位置づけになるだろうから、実質的に虎爺と違いはない。固有の信仰対象として認識されるか否かの差というべきか。
なお、十九世紀末に書かれた『台湾通志』には、次のような説明がある。
宗教之事、各地倶有、所処不同、即所祀之神亦異。是故山居者祀虎、水居者祀龍、陸居者祀牛、澤居者祀蛇。則不得以祀虎者為是、而祀龍者為非。
山に住む者は虎、水辺は龍という辺りは「龍吟虎嘯」によるのだろう。ここでは、土地によって祀るべき神は異なるのだから、どれかが正しくてどれかが間違っているわけではないと、当り障りのない(というか中味のない)話になっている。その辺は書き手がどの程度の理解があるかで変わってくるし、そもそも現代的な意味での学者の説ではないのでおいておく(現在の学者だって、世論誘導に使うことに変わりはないが)。
開元寺三川門。もっとも典型的な「虎嘯」である。
開基天后宮。
媽祖廟と龍虎の関係はよく分からないが、反対側には龍が描かれている。
北極殿。反対側は龍だし、これも「虎嘯」。
でも門扉は両方揃って龍だったりする。
見づらいが台湾府城隍廟も虎の反対は龍だ。
薬神廟。虎と龍がそれぞれ山と水を守護すると考えるならば、農業の神というべき神農の廟にふさわしいのかも。
普済宮。極めてマニアックな廟宇だが、蔡草如の「伏虎」はなかなか良い。
以前に紹介した記事で、「降龍」の画とともに見てくれい。
土地公廟の景福祠にもあった。
さて、ここから二つはたぶん虎ではない。
これは台湾府城隍廟の屋根。虎というよりは獅子であろう。が、虎爺の造型が獅子(シーサー)に近いことを思えば、案外……という気もする。誰か教えてくだされ。
台湾首廟天壇。ふさふさで抱き心地が良さそうだ。
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