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2012/07/31
朱玖瑩故居
徳記洋行、そして安平樹屋のすぐ隣にある建物。すぐ隣というか、ここもその一部と言った方が良さそうだ。
最近になって整備されて、一般公開の対象となった。隣と違って、ここは無料公開。
まぁ有料にするのは無理じゃないかという展示内容だけど、日本なら平気でお金を徴収するよね。特に京都市内とか。
もっとも、有料にしとかないと、用のない人が集まって来る可能性があるのも事実……と、また話題がそれた。
朱玖瑩は台湾では有名な書の大家だったという。
その展示をしてますよ、というわけだが、横書きはやめて欲しいなぁ。字数も全く合ってないし。
建物は日本式の瓦葺きだが、全体的に見れば洋風建築の部類だろう。
元は台南鹽業公司(台塩)の宿舎だったという。そこになぜ朱玖瑩が住んだのか。それは他でもない朱玖瑩こそが、台塩の塩務総局局長だったからである。
なお、台南鹽業公司は、日本統治時代の製塩工場などを国民党が接収して作った会社で、幹部は外省人で占められていた。朱玖瑩も長沙の出身だ。
もう一つ付け加えると、徳記洋行や安平樹屋も、戦後は台塩の所有となっていた。樹屋は「所有」というより放置されていたのだろうが。
台湾のサイトでは、日本的な建築だと書かれてあったりする。
derorenにとっては、日本統治時代の雰囲気は確かに漂うけれど、日本的とは言いがたい。和洋折衷の山荘建築ってとこか(私は建築の素人である)。
いわゆる民家の間取りではない。
内部を見学する。これは二階。
エアコンはないので長居は厳しいと言いたいところだが、京都の夏に比べれば、台南は過ごしやすいのよね。
それはともかく、ログハウス風の天井が特徴。全体的に開放的で、生活感に乏しい。別荘ですな。
これも二階。どこも書が飾ってある。
やはり二階。まさかの般若心経である。
なお、この般若心経は最後の「般若心経」がないバージョンのようだ。どういう系統なのだろう。
こちらは一階。
最後も一階の写真。あまり紹介することがない。
私はあまり書に関心がないし、中国の現代書家に関する文献も持ち合わせていないから、書きようがないのである。
とりあえず、書に関心がなければ、わざわざここだけを訪問する価値はない。ただ、安平樹屋の隣なので、そのついでに訪問する機会があれば、覗いてみてもいいだろう。
2012/07/30
安平古堡(内城半円堡遺跡)
久々の更新だ。この記事では、初回訪問時の記事にない遺跡部分を紹介する。古堡の基礎知識を得たい人は、以前の記事を読んでほしい。
ちなみに、国会図書館近代デジタルライブラリーに「史蹟調査報告 第2輯」というのがあって、そこに台南州の報告がまとまっている。で、安平古堡(ゼーランヂャ城)の当時の写真が載っているのだが(No.43)、現在の面影が全くないので驚かされる。
現在の展望台(瞭望台)は1975年建設だが、1908年には燈台が造られていた。そのそばにある売店併設の紀念館は、日本統治時代の1930年に出来ている。従って、「史蹟調査報告 第2輯」の写真は1908年以前のものだろうなぁ、と思われる。
興味のある人は眺めておくれやす。
話を戻すと、最初の写真の展望台(瞭望台)の裏側に、半円状の遺跡が残っている。
これが内城半円堡遺跡と呼ばれる場所だ。ゼーランジャ城の城壁は二重になっており、現存する有名な城壁は、外側の城壁である。対してここは内側の城壁で、中核部分を囲っている。
現在の姿は、およそ城壁と呼べるものではない。
上で紹介した「史蹟調査報告 第2輯」によると、億載金城を造る際に、ここの煉瓦が使われたらしい。ついでに、近隣住民の屋敷用にも持ち去られたと書いてある。
なお、井戸の址が写っているのが分かるだろうか。
その辺は、いかにも城跡って感じだ。
遺跡の背後、つまり現在の高台部分の壁は、老古石(サンゴ)をカキ殻灰で固めたもの。これはこれで貴重なものだ。煉瓦に比べると頑丈さは及ばないだろうが。
周辺には他にも発掘された遺跡がある。よほど熱心なファンでもない限り、感動を覚えるような遺跡ではないが、まぁオランダ時代の城に想いを馳せたい人は眺めてみては。
ちなみに、内城遺跡の奥に出口があって、安平樹屋方面への近道となっている(出口専用)。そのついでに通りがかるかも知れない。
もっとも、我々は入口でベビーカーを預けていた。なのでderorenが受け取りに戻って、あらためてこの裏口から安平樹屋に向かったのである。
面倒な話といえばそうだが、それでもベビーカーを持って古堡を巡るよりはマシだ。たとえ裏口から出るつもりでも、預けた方がイイと、最後に経験談を語っておこう。
2012/07/26
在網絡上能閱覽的台灣資料
台灣的大家。
日本統治時代的台灣的資料,在網絡上被公開。
是「台灣」「台南」等的關鍵字,你能看貴重的資料。請檢索。
国立国会図書館デジタル化資料(國立國會圖書館數字化資料)
http://dl.ndl.go.jp/search/detail?detailSearchTypeNo=T2
※到「キーワード(關鍵字)」放入檢索文字按「詳細検索(檢索)」。
近代デジタルライブラリー(國立國會圖書館近代數字圖書館)
http://kindai.ndl.go.jp/
日本統治時代的台灣的資料,在網絡上被公開。
是「台灣」「台南」等的關鍵字,你能看貴重的資料。請檢索。
国立国会図書館デジタル化資料(國立國會圖書館數字化資料)
http://dl.ndl.go.jp/search/detail?detailSearchTypeNo=T2
※到「キーワード(關鍵字)」放入檢索文字按「詳細検索(檢索)」。
近代デジタルライブラリー(國立國會圖書館近代數字圖書館)
http://kindai.ndl.go.jp/
2012/07/16
城市商旅航空館
あと一日分の台南記事を残しているのだが、まだしばらくブログに時間を割けないので、とりあえずホテルの話。
自分で言うのも何だけど、無償のブログに費やす労力はけっこうなものである。もちろん、台南は楽しい街だから、今後も続ける予定だ。ご心配なく。
さて、城市商旅というホテルグループの一つである城市商旅航空館は、桃園国際空港のすぐ近くに立地する。従って利用客は、何らかの形で空港に用のある人となろう。
今や東京方面からは羽田松山便があるけど、関西の我々が降り立つ先は、相変わらず桃園だ。まぁ台南や高雄に用があるなら、却って便利といえなくもない。それに、飛行機恐怖症のderorenにとって、街中の空港はできるだけ避けたいのも事実。伊丹空港なんて、もう二度と利用したくない(来月利用するのだが……)。
話がそれた。
我々がこのホテルを利用した理由は、帰国便が朝8時半という早朝便だったからだ。台北観光ならば、朝早く出発すればどうにかなるし、実際に5時台のバスで空港に向かうようなツアーも組まれている。しかし台南からはどうしようもないので、前泊した。
ちなみに、キャセイパシフィック便ならば前泊せずに済む。しかし宿泊費を入れてもエバー航空便の方が遙かに安いのだ。すまんのぉ(全国的にもうけない間寛平風に)。
で、このホテルは、空港近隣ホテルの中でも群を抜いて安い。レートによるが、ツインルーム一室6千円台(2012.7現在)。初心者向けに断わっておくが、一人6千円ではなく、我々ならば大人2人と赤子、しかも朝食付きでこの値段だ。
もちろん、台南で泊まっている首相大飯店はもっと安いし、台湾のホテルの相場は概ね安い。しかし空港利用客向けという特殊なホテルで、この値段は魅力である。
なお、derorenは日通ペリカントラベルネット経由で予約した。旅旅台北など、各種サイトで扱っているので、値段と空き状況で適当に選べばいいのではないかと思う。私が日通を選んだのは、以前も別のホテルを予約したからというだけである。
ホテルは高鐵台南駅と空港の中間にある。同業他社のホテルも近隣にあり、いずれMRTの駅もできる予定だが、現状ではかなり不便な場所だ。我々は赤子連れなので、最初からタクシーを使った。バスで行くことも出来なくはないが、初心者向けではない。
近くにはコンビニが一軒ある。ただ、それぐらいしかないので、高鐵桃園から向かう人は、駅で買い物をしておくべし。
高鐵桃園駅は、我々が訪問した時期は改装中で、コンビニが改札内でしか営業しておらず、非常に不自由だった。しかし、改装工事は終わっていると思うので、今は問題なかろう。
駅舎に隣接して、食事のできる建物もある。我々はそこで夕食をとって、ホテルに着いたらすぐに明日の用意だけして寝てしまった。
ホテルは狭いロビーで、フロントは日本語不可(しゃべれる人もいる可能性はある)、英語も怪しい感じだった。まぁ名前が書ければどうにかなると思うが、不安な人は予約内容を印刷して行くのがいいかも(ちなみに、derorenは一切持ち歩かない)。
部屋は上のような感じ。我々はダブルを頼んだはずだったが、なぜかツインになっている。もしかしたらホテルのサービスなのかも知れないけど、ダブルにしたのはtomopee対策なので、正直言って余計なお世話である。
左奥に妙なものが写っているのは、ベビーベッドである。
ここのベビーベッドは、事前に頼んでおけば無料。ただし、一人で眠ることなどあり得ないtomopeeなので、ここでも物置となった。
タクシーから高鐵、またタクシーで、ようやく動かない地面に辿り着いたので、tomopeeははしゃいでいる。
しかし、シングルベッドは狭くて危険である。入口側のベッドを壁に押しつけて、どうにか一晩を過ごした。
なお、ベッドは普通の安いビジネスホテルのベッド。首相大飯店のシモンズの後に泊まると、なかなか落差が激しい。
風呂はこんな感じ。バスタブはあるのでご心配なく。
洗面台は非常に使いづらい。見た目はともかく、これでは周囲に水が飛び散ってしまう。そんなに使わないからいいけどさ。
この辺は見ての通り。特に過不足はなし。
トイレ。ウオッシュレットではない。
一昔前だったら、ちゃんと水が流れるだけで評価されたのだろうが、やはりこれからのホテルには温水洗浄が欲しいなぁ。首相大飯店も頑張れ。多少の値上げも許容するぜ。
一晩経ったtomopee。
両親にとっては早起きでも、tomopeeはいつも6時前に目が覚めるので問題なし。もぞもぞとベッドの上で遊んでいる。
我々は8時半の便で帰国するので、遅くとも7時には空港カウンターに着く必要がある。それでもギリギリまで寝ていたいから、朝6時までに起床。6:20過ぎに軽く朝食をとり、部屋に戻って荷物をまとめ、6:55にタクシーという段取りだ。
なお、タクシーはフロントで頼むしかないが、これが高い。200元だ。
そうして朝食会場へ向かう(もちろんバイキング=自助餐)。するとまぁ、凄まじい混雑に驚かされることに。
それまで宿泊していた首相大飯店は、こじんまりとしたものだった。しかし、ここは収容人数が違うし、宿泊客の性格上、同時刻に集中せざるを得ない(搭乗前の客か、これからツアーに出る客が大半)。はっきり言うが、修羅場である。
日本人客はかなり多く、我々が相席したテーブルも、これから台湾ツアーという三人組だった。tomopeeは可愛がってもらったので有りがたいけど、「知らない食べ物は怖いから避ける」というスタンスはどうかと思った。余計なお世話だけどさ。
なお会場には、明らかに大陸系と思しき集団もいる。
今や大陸客なしに台湾の観光産業は成り立たないのだし、別にそれ自体はどうでもいいけれど、自助餐に不慣れなのか、とにかく盛る。盛りまくる。還暦は過ぎてそうな爺さんが、和洋中関係なく山盛りに積んでいく様子には、ちょっとした戦慄をおぼえた。
そうして皆さんがせっせと積み上げるから、どんどん食べ物がなくなって、殺伐とした空気が漂い始めるのだ。
まぁとにかく、このホテルで優雅に食事しようなんて思わないことだ。
総じていえば、このホテルのサービスに対する我々の評価は低い。ただし航空便の都合で仕方なく泊まる宿なので、実際には選択の余地はない。間違いなく安いし。
ただし、今後はどうだろうか。
空港アクセスの鉄道(MRT)は、順調にいけば来年には開通する。台北駅には直通しないので(三重駅暫定開業)、台北市内からは新荘線乗り換えか、高鐵桃園乗り換えのどちらかになろうが、とりあえず利用価値はある。鉄道は時間が計算できるからね。
いっぽう、台南からMRTを利用するとすれば、高鐵乗り換えのみ。しかし残念ながら、高鐵桃園に朝7時までに着くような列車はないので、今後もどこかで一泊するしかないだろう。
ただし連絡鉄道沿線ならば大差ないから、このホテルでなくとも良い可能性はある。誰か好立地のホテルを開拓して欲しいものだ。
ちなみに、このホテルは機場旅館駅が最寄りになる。ただし、6:55にホテルを出て7:00に空港に着くような芸当は、200元でタクシーに乗らない限り無理である。
格安ツアーの客は、朝5時に台北のホテルを出るわけだから、それにくらべりゃ屁でもないかも知れない。しかし、我々はそんなツアーには参加しないので、屁どころか実も出たり……などと長文記事をあえて下品に〆てみる。ご愛読感謝(何を今さら)。
2012/07/14
2012/07/03
tomopeeの安平古堡
いよいよ台南最終日。この日はとりあえず、チェックアウト前に安平散策という予定だけ立てていた。11時半に首相大飯店に戻ってチェックアウト、その後は夕方まで荷物を預ってもらい、どこかを歩く予定だ。
ホテルからタクシーで向かったのは、泣く子も黙る(黙らないけど)安平古堡。
安平は初回と二度目の旅でくまなく巡っているが、まだ一部未踏の地を残している。ついでに、初安平のtomopeeに定番を味わってもらわねばなるまい。そんな感じでやってきたぜ。
ちなみに、ここでも受付でベビーカーを預ってもらった。車に乗せるのは無理な場所なので、だっこひも持参が無難。
三月の台南では、さすがのプルメリアも咲いていない。珍しく季節を感じる絵になっている。
とりあえず、元ハマダ何とかな碑で記念撮影。
この写真では、どこにいるのかすら分からない。典型的な失敗例である。tomopeeの表情も沈みがちだ。
これでどうだっ!
古堡の古堡たるゆえんは、このオランダ時代の城壁にあるのだから、ここで撮影しなければね。tomopeeはよそ見してるけどね。
軍装局の碑の前で。なんでこんな所で……と思うだろうが、ここはtomopeeが座れる貴重な場所なのだ。ご機嫌で手を叩いているぞ。
最後は珍しくderorenと。鄭成功が城壁をくり抜かせたという場所で撮っているが、案内板だけで、肝心の穴がよく分からなくなっている。ちなみに、tomopeeの左側、単なる壁の切れ目みたいな場所が、くり抜かれた箇所だ。
安平古堡については、過去の記事で詳しく書いたので、日本語ガイドブックで読める程度の紹介は、そちらを見てもらいたい。
もちろん、せっかく来たのに記念写真ばかり、というわけでもない。過去の記事で紹介していない細かい見所は、次の記事で紹介予定。
ただし、ちょっとこのところ忙しいので、次がいつになるかは不明。ご容赦くだされ。
鑫昇鮮饗茶(公園店)
今回の旅では、マクドナルドが豆漿の店に化けていたが、もう一つ、ホテルの近くに新しいものを発見した。
公園路と成功路の角、豆漿の店の反対側には以前からセブンイレブンがある。その近くにドリンクスタンドが開店していた。それも首相大飯店寄りの位置だから、ホテルから買いに行くにも非常に便利である。
なので二度も外帯した(スタンドなんだから外帯に決まっているが)。上はただのミルクティー。実は夜遅くに行ったら、珍珠の類が切れていたのだ。
翌日の昼に頼んだ波霸奶茶。波霸は巨乳を意味するらしいが、もちろんこの場合は黒い珠が大きいという表現。余所でも普通に見かける名前なので念のため。
日本の「タピオカミルクティー」は、黒い珠が小さいのでイマイチだよね。そもそも台湾のこの珠はタピオカじゃないって話もあるけど。
このチェーン店、なんと創業が2011年である。というか、チェーン店といっても、まだ2つぐらいしか店がないようだ。
これから増えていくかどうかは、もちろん私には分からない。余所よりうまいかと聞かれても、分からない。derorenは、だいたいどの店の奶茶でもうまいと思うのよね。