三官廟と鄭氏家廟の向かいにある五帝廟。ここも紙媒体の資料はないが、幸い公式サイトがあるので参考とする。
しかし、サイト名がwudi-miaoってのがいいよね。日本のサイトだって似たようなものだけど。というか、当ブログが余所の名前をどうこう言うのは、天に唾するようなものか。
さて、この廟の主祭神について、公式サイトには次のように記されている。
佛教稱為華光天王佛。道教稱作五顯靈官馬元帥。本廟稱為五顯大帝。第一世妙吉祥。第二世三眼靈光天王馬子貞。第三世三眼靈光天王靈耀。第四世五顯華光大帝蕭顯德。
「華光天王」という文字は『華厳経』にあるようだが、たぶん関係ないだろう。舎利弗とも関係ないだろう。
第一世の「妙吉祥」は、一般には文殊菩薩を指す。しかしここではハス油の燈明の化身らしい。釈尊の説法を毎日聞いているうちに人と変わったそうな。で、釈尊から「五通」の神通力を与えられたという。
その後も公式サイトに書かれている。生まれ変わった二代、三代は、いずれも三つ目だった。そして四代目は肉の塊で、パカッと割れて五人の子が現れた……のなら分かるのだが、五人の男と一人の女が生まれたそうな。
まぁともかく、この四代目を称して五顕大帝と呼ぶわけだ。
さて、その五顕大帝はこの人ですよと言いたいところだが、見ての通り、手前の神々に隠されて全く見えない。いくら何でも詰め込みすぎだろう。
無理矢理に覗くとこんな感じ。怖いぞ。
「五通」の神通力には、火や水や風をあやつる能力があるという。そうした事情で祀られていると思われる彼の名は火将軍。夢に見そうなくらいインパクトのある顔だ。
こちらは風将軍。火将軍の後では普通の人にすら見える。
で、このうつろな瞳の御方は誰なのだろうと思ったら、なんとこちらも火将軍らしい。全然ビジュアルが違うじゃないか。
なお、この像と対の風将軍は、シロアリにやられたそうな。うーむ、ここは西日本シロアリの出番だな。
そんなわけで、鄭氏家廟をちょろっと見るはずが、ずいぶん充実した内容となった。台南の廟は、一つ見えたら十はあると思わなければならない。うむ。
※余談だが、上の元ネタ「ゴキブリを一匹見たら……」は、何匹いるのか人によってバラバラですな。derorenは「一匹見たら五十匹」と覚えていたが、十匹説から百匹説まであるようだ。これを読んだアナタは何匹派? (全くどうでもいい話だな)
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