観亭街から民族路を西に折れると、間もなく南側にこのような路地が見える。
なんということのない路地を歩いてみたら、土地公廟があった。
あったというか、小南天土地公廟というのは全台的に有名な土地公廟なのである。まさかこんな場所だとは思わなかった。
本殿の内部はこんな感じだ。
廟自体はとりたてて広くもないが、扁額の多さが目立つ。
土地公像は黒くてヒゲが長い基本型。ここも伝統的には白髪老人でなかったと見て間違いない。
ただし現在は白髪老人的な信仰も混じっていて、この写真でも一人そういう土地公がいる。そして実は、お守りみたいなものが手前にあり、そこにはデフォルメ系の小さな像も置かれている。信仰の過渡期にあるのかも。
この土地公廟で有名なものが、「小南天」扁額である。
この扁額は1814年(嘉慶19年)のもので、ちょうど廟宇の改築が行われた際に掲げられた。しかしそれ以前には別の扁額があった。それはなんと、寧靖王の筆であった。
鄭氏政権の監軍であり、その正統性の根拠であった寧靖王は、永暦年間に「小南天」の扁額を自ら書いたという。残念ながらその扁額は失われてしまい、今では伝説として残るのみだが、台南府城の中心にある土地公廟の格式を物語るエピソードには違いない。
説明はもう終わった感じだけど、(二)へ続く。ぜひ見てもらいたいものがあるのだ。
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