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2010/08/13

鴨母寮市場の謎の麺屋「骯髒麺」に潜入

鴨母寮市場「骯髒麺」
 台南の鴨母寮市場(光復市場)は、首相大飯店から徒歩で10分もかからない近所であり、総爺老街や大銃街、興済宮からも近い。ついでに言えば、我々が宿泊していない朝代大飯店からも似たような距離で、天下大飯店からは目と鼻の先である。
 従って、この市場には毎回必ず寄っているが、2009年の我々がここで買ったのはフルーツだけであった(龍眼、釈迦頭、蓮霧など)。

 この市場は基本的には朝市で、魚と肉と野菜と果物という、食材が中心となっている。ただし裏の通り沿いには衣料品などの屋台もあるし、食べ物も食材だけではなく、魯味の有名店の松村燻之味なんかもここにある(魯味は空港で没収される可能性があるので注意)。
 そして実は小吃店がいくつも存在している。

 台湾の小吃食べ歩きブロガーの間で、この市場のとある店が話題になっていた。それが「骯髒麺」である。日本語に訳すと「不潔な麺」である。
 トンデモな名前で、しかも店自体がそうとう見つけ辛いらしい。我々(少なくともderoren)の心をくすぐるシチュエーションだ。
 そこで勝手知ったるはずの鴨母寮市場にやって来たが、さすが見つけ辛いというだけあって、いくら探しても見当らない。元々、市場の内部は迷路のように入り組んでいて、なかなか現在位置を確認できないのだが、ともあれ40分近くうろうろした末に、ようやくそれらしい場所を発見したのである。
 ……まぁ、その40分のなかには土芒果を物色していた時間も含まれるけどね。 

鴨母寮市場「骯髒麺」
 狭い通路を恐る恐る進んでいくと、鍋が並んでいる。炭火で炊いているのが分かる。
 なんだか期待できるぞ……とカメラを構えて店内に足を踏み入れたら、カメラはダメとジェスチャーされた。台湾で自主規制ではなく撮影拒否にあったのは、いつ以来だろう。なんだかまた期待が高まる(まさに「取材拒否の店」の気分だ)。

 念のため記しておくが、別に店内に変わった景色があるわけではない。ただテーブルと椅子が並んでいるだけの、なんの変哲もないスペースである。
 ともかく我々は緊張のなか、いよいよ骯髒麺を喰らうことになった。

※なお、この店には特に名前はないようで、麺についてもメニューがないので本当の名前はよく分からない。「垃圾麺」と記されることもあるようだ。ちなみにその場合は「ゴミ麺」である。

鴨母寮市場「骯髒麺」
 骯髒麺は40元。キャベツや青菜、ネギが入った麺の上に少しの肉燥とラードの絞りかすがのっている。チャッチャ系と言えなくもない。
 麺は細めの、恐らくは乾麺であろうと思われる。この麺は絶妙なコシがあって、かなりうまい。それだけでも驚きだ。
 そして、何よりうまいのがスープ。あっさり味で、油っぽさは皆無である。野菜もうまい。台湾で食べた麺のなかでは一番といっても過言ではない。

 ちなみに、テーブルには豆板醤なんかが置いてあるので、辛いのが好きなら適当に加えて食べる。周囲の客は軒並み加えていた。けどまずは、そのままの味を確かめるのが良い。
 ここは乾拌麺(汁なし麺)や餛飩(ワンタン)もあるらしい。次回はチャレンジしてみたい(時間がいつになるかはともかく……)。

 写真は撮ってないが茹でたイカも一緒に頼んだ(というか頼まされたに近かった)。
 これがまた、びっくりするほどうまい。新鮮なイカってこんな味なのかと感動する。ぜひ一緒に頼むべきだ。


 この店では日本語は全く通じないし、メニューもないので、注文はかなり難しい。そして、上の麺の正式な名前はよく分からない。誰かが食べているのを指差すのが一番無難であろう。
 「乾拌麺」「餛飩」はまぁそう書けば通じそう。イカは軟絲とか花枝とか書けばどうにかなるのではないかと思われる。最終的には、困ったらおばさんがどうにかしてくれるはずだ。

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