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2010/05/26
台北圓明堂(獣の楽園もしくは危険地帯)
廣澤堂のすぐそばの圓明堂。高架の下という条件も同じなので、どうにも薄暗い。まぁ我々の訪問した時間も悪いのだが(18:00を過ぎている)。
なお、上の写真は特に映りが悪い。うっかりしていたderorenは、外観の写真を撮り忘れてしまった。hashiカメラにあるにはあったものの、今度は画面に撮影中のderorenが思いっきり写っていた(もちろんカットしたぞ)。
右端のシャツがどうにも存在感ありすぎなのは、ある意味ここの雰囲気をよくあらわしていると思う。
内部は特筆するようなものではない……と言いたいが、中央に比して両脇の将軍たちがやたら立派なのが目にとまる。
そしてもう一つ、息をひそめて我々の出方をうかがっている、野獣の姿も(野獣か?)。
謝将軍サイド。謝将軍が「七爺」であるように、他にもいっぱい将軍はいるけれど、なかなか覚えられないものだ。
范将軍サイド。
こういう林立する将軍像は、初見の人にはかなりインパクトのある絵面だと思う。我々はすっかり慣れた。もう鎮座しているだけでは物足りなくなった。
一応、中央のアップも載せておく。ただし、この廟の主祭神が何者なのかはよく分からない。
「圓明」は仏教語と考えられるけれど、どうも道教系の神にも「圓明」の尊称は付くようだ。そして、少なくともこの祭壇は道教系だ。両脇の将軍たちの存在は、城隍廟などの陰廟であることをうかがわせる。
二人で覗いてたら、奥から管理人(ここに住んでる人)が現れて、案内してくれた(案内というほど広い廟ではないが)。そして廟名入りの農民暦をいただいた。そこには「霞海城隍廟公祖」とある。
霞海城隍廟の祭礼は、大稲埕の全域にまたがるものなので、もちろんここも含まれる。一方で、大龍峒(大稲埕の北の地域)の保安宮の祭礼も、ここは関係するようだ。実際に、ここの将軍が歩いてる写真があったので、紹介しておこう(見つけ辛いので注意)。
そして案内された奥の間は、なんと仏教の堂だった。なるほど「圓明」だ。
しかし、この狭い部屋に金剛力士から釈尊まで詰め込んでしまう辺りは、実に台湾的である。空いてる場所があってはいけない、という思想があるのではないか。
日本でも、もうみんな腹一杯なのに「テーブルが料理で埋まってないといけない」って注文し続ける人は時々いるよね。宴席の料理なんて、持ち帰り前提の量になってるわけだし。
台湾の宴会も同様みたいだから、そういう貧乏性的思想を信仰に持ち込めば、こうなるのは当然………というのは飛躍しすぎ?
別の言い方をすれば、空間そのものに価値をみるか、空間は置き場であって、何が配置されているかに価値をみるか、という差だ。
まぁしかしグダグダ書いても結論はもっていないので、このぐらいでやめておく。この廟の「真価」をまだ紹介していないのだし。
元に戻ろう。上から二枚目の写真で、范将軍の脇の通路に野獣の姿があったことに、賢明な読者はもう気付いているはずだ(というか、気付くように触れてあるわけだが)。
derorenは権力の走狗となることを許さない男なので、犬が大嫌いである(単に怖いとも言う)。ところがhashiは遊び相手が獣しかいないという辺境で育ったために、犬を見ると反射的に駆け寄ってしまうのだ(この説明にも多大な事実誤認があることは否めない)。
この犬がまた、並大抵ではない大きさで、しかも一頭やそこらではないのだ(つまり二頭)。
飼い主のおっちゃん(つまり管理人)は、記念写真を撮るように薦めるので、満面の笑みのhashiの写真を撮った。もちろんderorenは大きくジェスチャーして断わった。戦って負けそうな犬のそばに誰が立てようか!
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