湯徳章紀念公園の円環に面した建物は、今でこそ大した高さではない。しかし1930年に建設された時点では、台南で最も高い建物であった。
ここは「119」の文字で分かるように(上の写真は隠れてる。下を見てね)、消防署である。無粋な文字は現役の証だ。
近くで見ると、かなり老朽化している。
さらに近寄ってみると、ちょっと中に入るのが怖くなるほどボロボロである。いつまで現役でいられるのか、かなり心許ない。そもそも昭和初期のコンクリート建築に、80年も保たせるつもりがあったとは思えないだけに、今後が心配である。
なお、二つめの写真でも何となく分かるが、この建物は中央の塔が先に造られ、後に左右の庁舎が付け加えられたものである。庁舎部分は1937年なので、7年ほどは塔だけだったことになる。
この塔は、名目としては昭和天皇即位の「御大典紀念塔」である。名目と言ったのは、恐らく最初から消防用に使うつもりだったと思われるからで、左右の建増し部分に消防署の詰所と派出所が設けられ、合同庁舎という名になった。
現在は消防のみが利用する。そもそも
台南警察署までは100mも離れていないのに、なぜここに派出所なのかという疑問も残る。この円環がそれだけ重要な地点であったことを示しているのかも知れない。
0 件のコメント:
コメントを投稿