首相大飯店から公園路を少し北上、北忠街の交差点を過ぎたあたりに、小さな祠があった。ちょうど小学校の向かいである。
しかしまぁ、また「開基」かよ、と思ったのも事実。しかもこの廟はいわゆる集合住宅の一角であって、ちっとも由緒を感じさせないわけだ。
黄柏芸『台湾的城隍廟』によれば、城隍廟において陰陽司公は秘書官的な役割を担うという。陰陽をすべて見渡し、城隍神の巡察の輔佐となる……というのは、いかにも官僚制度的な説明なのだが。
あしゅら男爵(古いな)のような主祭神。ここでの呼び名は、扁額にもある「陰陽都総管」らしい。
なお『台湾的城隍廟』によれば、陰陽司公を主祭神とする廟は珍しく、台南市公園路の「陰陽公廟」だけだという。あれ?、それってここじゃねーの?、と思ったわけだが、紹介されている写真は全く違っている。
もしかしたら、ここは移転先なのかも知れない。『台湾的城隍廟』は2006年刊なので、そんなに古い写真ではないはずだが……。
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