浅草青春新天地を抜けた我々は、正興街を歩く。それは単に裕成水果方面へ行こうとしただけなのだが、ふと右手に廟を見つけた。
廟といえば見学せねばならぬ。何の躊躇もなく足を踏み入れて、二歩ぐらいで足が止まった。
右手にはこんな写真が。
そして左手。
入ってはいけない場所であることに気付いたが、幸い誰もいなかったので、撮影して、一応は拝んで、速やかに去ることにした。
帰国後に確認してみると、ここにも謝将軍と范将軍がいる。死後の冥福を祈る廟だからこそ、というところか。
いうまでもなくこれは、西来庵事件(日本での呼称)の英雄、余清芳らを祀る廟である。
台湾で最大の抗日運動とされるこの事件は、噍吧哖(タバニー、つまり玉井)を中心に台南地区で多くの日本人が殺害され、首謀者とされた余清芳ら数百名が死刑とされた(実際には恩赦になった者も多い)。
高圧的な為政者が、弾圧する代わりに箱モノを与えていく植民地経営。そうして残った箱モノを「俺たちが与えてやった」と言いながら称賛するような連中は、いかにも侵略者の子孫にふさわしい。
我々は基本的に観光客に徹している。かつてこの地を侵略した国の国籍をもってはいるが、過去の侵略をどうこう出来るわけではない。友好的な旅人であり続けるぐらいが、ちょうどいいポジションなのかな、と思う。
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