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2009/05/05
徳記洋行と安平樹屋
イギリスの商社だった徳記洋行。中はちょっと不気味な蝋人形の館だが、外側はカップルの記念写真スポットだ。まぁ台湾離れした景色、しかも海辺のどことなく開放的な雰囲気も含めて、よい観光地には違いない。
コロニアル様式の典型だ。
徳記洋行は1845年に廈門で創業したという。清朝末期に欧米各国が好き放題にやらかしたことは、日本史の教科書にも載る話だが、日本と同じように清朝にも開国を迫り、台湾では四ヶ所の港が「開港」した。その一つが安平だった。
安平にはイギリス、アメリカ、ドイツなどの貿易商社が進出、徳記洋行や東興洋行は「五大洋行」に数えられたそうな。
ただし、そんな繁栄は長くは続かなかった。
日本統治時代になると、貿易を独占したい日本はこれらの商社の特権を奪う。さらに安平の港が砂で埋まって機能を失い、20世紀初頭にすべての商社は去っていった。
しかしここのメインは、かつては裏で会社を支えていた倉庫である。安平樹屋とは、まさしく廃屋の呼称に他ならないが、この迫力は見る価値がある。100元をけちって中に入らないような人間は、ちょっとどうかしている。
屋根の骨組のようだったり、壁を突き抜けていたり、ガジュマルの自由奔放さのせいで二つと無い景色がそこらじゅうにある。アヘンの倉庫もここまでアートな空間になれば本望ってとこだろう。
気根が垂れ下がる。
日本ならお化け屋敷に改装するかも知れない。
樹屋のさらに奥には展望台があって、河口のマングローブ林を一望出来る。ああ南国だ。京都のちょっとした寺院で500円払わされるのに比べて、ここの100元の安いこと(しつこいな)。
展望台から安平樹屋を見る。すごい景色でしょ?
なお、ここにはちょっとした展示スペースとトイレもある。安平のトイレ事情は、お金を払う施設に関していえば心配ない。
※2011.3増補
展望台から安平樹屋を眺めると、巨大なガジュマルがかつての倉庫をまるで抱きかかえて守っているかのように見えた。
返信削除実際は、ガジュマルが破壊してるんだけど。
「天空の城ラピュタ」のラストシーンを思い出して、わけもなく感動してしまった。
ここは本当に予想外に良かったねぇ。ビックリするほど非現実的な景色だった。
返信削除ほどほどの暑さなのでヌシがバテずに済んだのも良かったぞ。