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2011/10/16
万福寺普度勝会を見学する(一)
挙行か否かで検討中の台湾旅行の前に、とりあえず我々は台湾成分を摂取すべきである。少なくともderorenはそう思うのだ。
まぁ摂取という意味では、つい最近も東京に行ったついでに、台湾物産館で絶品好茶などを買って飲んだ。立ち寄る機会さえあれば、普通のペットボトル飲料と値段は変わらないのでオススメだが、所詮ペットボトル飲料である。遠からず汗か尿に消える運命である。
もっと記憶に残る台湾成分はないのかと悶々としていたある日、hashiが耳寄りの情報をもってきた。京都の万福寺で何やらあるらしいのだ。
インターネッツを駆使しても式次第すら分からないものの、幸い万福寺は我が家を出て30分以内には着いてしまう距離にある。さっそく三人で出掛けることにした。
上の写真は我が家の最寄り駅のホームにて。「まーたderorenとhashiがどっか引きずり回す気だぜ。やってらんねーなー」とぼやいている可能性は否定できない。
万福寺はJR奈良線黄檗駅から徒歩5分ぐらい。京阪黄檗駅からも似たような距離だ。ちなみに両駅は、ホームが隣接するのに乗り換え駅とされていないことで有名だ(競合区間なので合同駅舎は永遠に造られないだろう)。
門前に着くと、幔幕が張られている。祭礼気分を盛り上げてくれるが、実は本日の祭礼とは無関係。350年記念の法要が近日開催される関係の幕である(大震災で延期されたもの)。
そもそも、周囲には他にも参拝客がいるけれど、祭を見に来たという感じの人間は見かけない。
一般的に京都で祭を見物に行くと、役にも立たない写真を撮りたがる自称カメラマンや、とりあえず他人よりよい場所を占拠しようと殺気立つ人々が、漏れなくついてくる。しかしそんな空気はまるでないのである。
ともあれ中に入ることにする。ちなみに拝観料は一人500円である。大人二人で1000円! 台南の開元寺も法華寺も拝観料なんて取ってないよねっ!
……ここは台湾人の読者もいるので、あえて書こう。日本の、特に京都の観光寺院は、ただ敷地に入るだけでお金を必要とする。拝拝の有無に関わらずである。
堂内には賽銭箱がちゃんと設置されているけれど、参拝客がお金を入れる保証はないので、あらかじめ取ってしまう。それが「拝観料」という制度だ。かつて税金でもめて「志納金」と称した時にも、金額を強制する寺院があったほど、観光寺院の経済にとって拝観料は大きな収入源である。
万福寺は郊外の寺院なので、平日の観光客なんて知れているけどね。
話がそれてしまった。広い境内は、左右に並ぶ提灯だけが、特別な日であることを示している。
階段を昇ったところにあるのが天王殿。実はここ、台湾でいうところの弥勒殿そのものだ。内部は中央に布袋系弥勒像があり、両脇には四天王が祀られる。まるっきり開元寺などと同じ配置となっている。
これはもちろん偶然ではない。
万福寺は禅宗の黄檗宗に属するが、この宗派は日本の江戸時代に、清朝から伝来した非常に新しいものである(従って寺院の数は少ない)。開祖の隠元は中国人で、当初は他の僧侶も概ね渡来人だった。さらに伽藍もそのまま再現された。
台南の開元寺や法華寺は、黄檗宗に属したことはないと思われるが、ほぼ同時期の寺院なので、類似しない方がおかしいのである(台南にはかつて黄檗寺があったぞ)。
そうして盛り上がってきた我々の前に、立ちはだかったのはマスコットキャラだった。
コイツは叩いて音を鳴らす開版で、禅宗寺院にはつきものの道具に過ぎないけれど、売店では本当に開版のキャラクターグッズが売られているんだぜ。
そして、このマスコットがいる場所では……。
ああうまそうな香り!!
斎堂では精進料理(素食)の春雨が振舞われている。もちろん見逃すはずもない我々は、見学より先にまず食事となった。
これがまたうまい。金針花が入ってるし、しっかり台湾素食の気分も味わえた。ああ幸せだ。写真の皿の中身は、二人で全部食ってしまった。
ただし、幸せなのは親だけで、まだ離乳食も途上のtomopeeは一人ふてくされていた。罪滅ぼしも兼ねて、そのまま斎堂の隅を借りて授乳、いよいよ目的の場所へ向かうことになった。
台湾の話じゃないのに、まだ続くぜ。
*****頼まれたので宣伝*****
台湾政府の行政院青年輔導委員会で、「青年トラベラー大募集」というイベントを開催。webから10日間の旅行計画を投稿すると、締切後に審査が行われて、2000~3000$の旅行資金がもらえるかもしれないそうだよ!
ちなみに18-30歳限定らしいよ! derorenは応募資格がないのに宣伝してるよ! 依頼の文章が分かりにくいので全面的に書き替えたよ!
まぁ興味のある人は公式サイトを見るが良いぞ。
http://youthtravel.tw/youthtrekker/
*****宣伝終わり*****
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