貴徳街の北に残る巨大な洋館。
この道は知っていなければまず辿り着けないが、手前が駐車場になっていて、環河北路からもこの建物は見えている。不安な人はそちらから行けば大丈夫。
現在は栄星幼稚園として利用されている(この日、内部はシロアリ駆除中だった)。
もちろん最初から幼稚園だったはずもなく、ここは辜顕栄という豪商の邸宅だった。
陳天來宅と同様に、いかにも「俺は金儲けしたぞー」的な感じで建っている。
ちなみに辜顕栄は、台湾占領のためにやって来た日本軍を、台北に無血入城させてしまった人物として知られる。
平凡社刊『図説台湾の歴史』(台湾の副読本『認識台湾』の日本語訳)では、その結果として総督府に取り入って、豪商となった彼を、控え目に皮肉っている(台湾独立派は、もちろんそんな穏やかな言い方はしない)。
街中で戦争されるぐらいなら、無血入城の方がマシだ、というのも一つの真理ではある。従って、ここで彼についてどうこう批評する気はない。
ただ良くも悪しくも、台湾の歴史に名を残した人物が、こういう洋館を建てたわけである。
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