開元寺は鄭成功の子の鄭経が、母親のために建てた北園別館がその前身である。
境内にはその頃の遺跡とされる場所がいくつかあるが、功徳堂の隅にある井戸はもっとも著名なものである(なぜか羽鳥又男の銅像がそばにある)。
この井戸はその名も鄭経井で、かつて井戸を掘った際に大海螺の化石が出土し、それを寺宝としたなんて伝承もあるらしい。
一方、こちらの竹は七絃竹。鄭成功夫人が植えたとされる。
竹は竹でも、これは地下茎をのばさない、いわゆるバンブー系。南方の植物だ。
柵で囲わなくてもいいのになぁ、とは思うが、実はここにも穏やかではない歴史があったらしい。
七絃竹のそばに建つ「詩魂」碑は日本統治時代のもの。台湾の民族思想を弾圧した日本に対する抗議の碑であるという。
台湾の文人たちが、自分たちの詩を書いた書物をこの竹の根元に埋め、「詩魂」と刻んだ。もちろんそれは、文人たちにとって竹が聖なる植物である故だが、同時に鄭成功ゆかりの地を台湾民族の聖地とする運動でもあっただろう。
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