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2009/05/02

台南市街の南部を中心に歩く(5/2)

 既に帰国後で、もう写真入りの記事をアップし始めているが、一応防備録も兼ねて日々を記録する。

 前日に赤嵌楼などを巡ったので、今日は孔子廟などを見てまわることとする。そこで朝からタクシーに乗り、西門路と府前路の円環へ。なぜそこで降りるかといえば、そこに阿堂鹹粥があるからだ。
 頼んだのは魚肚と魚皮で、阿憨鹹粥と全く同じだったりする。店はすごく混んでいて、頼んでからけっこう待たされた。周囲もどこか殺伐とした雰囲気である。まぁいつものことなんだろうけど。
 どうでもいいが、一番端のテーブルには一族郎党って感じの人たちがいて、なんとワインを飲んでいた。屋台のサバヒー粥とワインだ。私には考えがたい組み合わせだ。そもそも魚とワインって合わないじゃん。

 食事を終えた後は、孔子廟へ。武徳殿なんぞも眺めてみるが、日本からやってきた観光客にはたいして魅力もない。海外に行ってまで日本建築は見なくていいや。まして、現在に残った理由も建築様式の問題じゃなくて、コンクリ造りで頑丈だったからに過ぎないわけだし。
 孔子廟ではリスを見物して、中へ。まわりに日本語を話す人がいた。安平でも赤嵌楼でも逢わなかったので、何となくびびる。出来れば日本人だと気づかれたくないなぁ、と思った。深い意味はないけどさ。

 孔子廟を出た後は、五妃廟へ向かう。途中でなぜか記念写真を撮ってるくーにゃんがいたので不思議に思って見たら、窄門咖啡だった。さすが有名店だ。興味はあるけれど、今回の限られた日程の中では、台湾的なものを優先せざるを得ないのでパス。次の機会に行ってみたい。
 莉莉水果店は食べる気でいたが、こちらも席が空いてなかったのでパス。裕成水果で既に食べているので、執着はなかった。ただし次回があれば候補地に入るだろう。
 そのまま歩いて大南門公園へ。大南門の楼上は風が吹いて涼しかった。学校のグラウンドを見ながらしばらく休む。同じ公園内の旧放送局は、カフェにでもすれば人気が出そうだ。

 五妃廟はなかなか遠い。しかも日陰のない公園の中央にぽつんとあるので、なおさら体力を消耗する。どこかで糖分補給が必要だ。
 ということで、廟の前にある郭家緑豆湯(『台南好味道』に載ってる店)へ。緑豆湯と薏仁湯を食す。どっちも優しい甘味で、非常に美味。緑豆湯は糖蜜の風味で、小豆より小さくプチプチした緑豆が絶妙。薏仁はハトムギらしい。麦というか米というか、そういう系統の甘味がある。緑豆湯に比べると好みが分かれるに違いないが、穀物の自然な味なので私は気に入った。

 そこから法華寺へ歩き、さらに延平郡王廟へ。延平郡王廟はお祭り中で、15:20より舞台と掲示されていたが、諸事情により待てないので適当にぶらぶらして、ちょっとお土産を買う。
 この延平郡王廟には鄭成功のパネル展示があって、そこには中国語・英語・日本語が並ぶ。つまり、パネルのどこを見ているかで、どこの人なのか判るわけだ。
 相方がパネルをやたら熱心に見ていて(ちょうどチャンネルNECOで金庸「鹿鼎記」をやってる関係だ)、先に読み終わった私は近くの廊下で待っていた。すると中年男性がやってきて「トイレはどこか」みたいな質問を、たどたどしい日本語でするわけだ。私に聞かれても困るので「さぁどこでしょう」みたいな返事をしたら、しばらくしてお土産物売り場にいた私の元に再び現れた彼。「トイレはあっちから外に出て右の方ですよ」と、やはりたどたどしい日本語で教えてくれた。そこで初めて、私はトイレを探していることになっていたのだ、と気づいた。
 でもなぁ。別にきょろきょろしていたわけでもなく、近くにあった井戸の模型みたいのを眺めていた私に、そんな親切をわざわざするかねぇ。その人も相方と来ていたようだけど、自分が習ってる日本語を試してみたかっただけではなかろうか、と思う。
 もっとも、試してもらうのは全く構わない。何だかんだで、結構楽しい経験だった。

 そこから友愛街へ戻り、日本時代の建築が並ぶエリアを一通り眺める。まぁこれだけ並んでいれば、ちょっとしたテーマパークなんだよな。
 ただし、目的地はそこではない。さらに友愛街を進み、ついに着いたぞサカリバ。棺材板を食うためにやってきたやってきた。
 赤嵌棺材板は混んでいたが、席がないほどではない。注文は紙に書いて先払いの形式。棺材板と青菜の炒め物と汁を食う。タウナギも予定していたのだが、前日にもう食べたので割愛。
 棺材板はアイディア料理ですな。パンが妙にうまい。台湾全土に広まったのもうなづける感じである(他の店でも同様にうまいかは知らない)。

 サカリバを出た我々は運河まで歩き、そのまま運河沿いを永華路まで歩いた。実は相方がどうしてもマッサージの店に行きたいというので、夕方に予約を入れていた。その店が永華路の運河の畔だった。
 その店、鄧老師養生館の評価については、私が体験していない以上触れるつもりはない(相方がmixi上で何か書くだろう)。まぁでも二時間の贅沢な内容で、当人は満足していたようだ。あとは公式サイトなり紹介記事(台北店)なりで確認しておくれ(ただし公式で「日本語」を選ぶと大変なことになるので注意)。

 私はその間、台南新天地で休むことにした。まず、じっくりとトイレに籠り(おっと失礼)、それから食料品売り場を眺めて、フードコートの翰林茶館で珍珠奶茶(ただし砂糖抜き)を飲む。食感が楽しくて、日本で何度か飲んだ類似品とは別物だ。ただし腹がふくれるので注意。
 食料品売り場は眺めただけではなく、お土産も買った。何を買ったのかは諸事情により書けない。知り合いが見る可能性のある場所で、それを書くのはちょっとまずかろう。

 午後6時過ぎにマッサージを終えた相方と再会。台湾HiPowerで借りた携帯は、けっこう使う機会があった(トータルでは基本料金内だったが)。何らかの形で携帯は持参すべき。宣伝じゃないけど、台湾HiPowerは安くていいよ。ただし携帯は本当に最低限の機能しかないけど。
 金華路を歩いて矮仔成蝦仁飯へ。日本語のメニューもあったが、なくともあまり問題はない。蝦仁飯と蛤仔湯を食す。正確にいえば片方は、肉絲飯と蝦仁飯が半々になった「綜合飯」だったが。
 この店の味はすごく日本的だ。蝦仁飯はちょっと猫まんま的で、飽きない味。うまい。

 ガイドによると林家魚皮が近くだったので、次のターゲットに選んだのに見つからず。途方に暮れてタクシーを拾い、赤嵌楼へ。どうせホテルの方向だし、まだ食ってない赤嵌担仔麺で食おうと思ったわけだ。
 すると赤嵌楼はライトアップされ、何やら舞台が作られていた。せっかくなのでしばらく眺めることにする。さらにせっかくなので義豊阿川冬瓜茶で冬瓜茶と冬瓜拿鐵をテイクアウト。幸運にも席もあったから、ゆったりと座って飲む。いやはや、この冬瓜茶はうまいわ。

 舞台で始まったのは、地元の子供たちによる踊りだった。発表会みたいなものか。しばらく眺めてたら、いきなり市長が現われて挨拶。この市長、やたら話が長い。日本だったらブーイングものだが、いかんせん話の内容が判らないので何とも。
 数組で飽きて、席を立ったらおばさんがダッシュで座った。さすがだ。

 で、赤嵌担仔麺(リンク先は音がするので注意)へ。ここは座席指定でメニューと注文用紙を渡され、用紙に書き終えたら一階で先に清算するシステム。二階席でメニューを選んで一階で清算するというのは、あまり合理的なシステムと思えないけれど、一階レジの奥には小皿料理が並んでいて、それは自分で取って清算するしかないから、仕方ないのだろう。
 ここの担仔麺には「うどん」もある。せっかくなのでそれも頼んでみた。全くそれはうどんではなく、むしろ極太のビーフンといった感じだった。うまい麺だけどね。
 一品として、青菜の炒め物、タケノコの炒め物と豚、を頼む。これらはいずれもうまい。ただし担仔麺はちょっと評価が厳しい。たぶん地元ではいいんだろうけど、ニンニクが効きすぎるのだ。翌朝までニンニク臭が残ったぐらいだ。

 まぁともかく、そんなグルメな一日も終わり。あとは最終日を残すのみだ。
 ギリギリまで台南を歩きたいので、予定より一時間遅い高鐵に乗ることに決めた。実はかなり危ない予定変更だったけれど、まぁどうにか帰国出来たから良し、だ。

 なお、帰国便も1日夜にオンラインチェックインを済ませてある。部屋でネットが使えると、こういうことも可能である。

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